鷲の歌〈上〉 (大衆文学館―文庫コレクション):Amazon.co.jp:本「鷲の歌」は歴史文学作家の海音寺潮五郎氏の著作です。
海音寺潮五郎氏はテレビドラマや映画になった上杉謙信が主役の「天と地と」が有名です。
幕末の日本が欧米列強から開国を求められていたころ、同様に琉球も開国の選択を迫られていました。
当時の琉球王国は、清国に朝貢し、薩摩藩の属国という状況でした。
琉球王国末期の官僚牧志朝忠を中心とした、一般的には牧志恩河事件と呼ばれる事件を扱った物語です。
牧志朝忠は、フランス語や英語を操る優秀な官僚で、ペリーやフランスとの交渉で活躍しました。
時の薩摩藩主で開国派の島津斉彬は、朝忠を重用するよう琉球王国に働きかけ、また朝忠ら琉球の改革派も斉彬の目論みに乗って行くのです。
しかし、斉彬の急死(恐らく毒殺)で薩摩の主流は守旧派にもどり、琉球もまた同じくとなります。このとき薩摩では斉彬に重用された西郷隆盛が流刑になっています。
恩河や牧志ら改革派も排斥されて行くというお話です。
薩摩の要求に容易に逆らえない姿は、大手の二次請けソフト開発会社のわが身と重なり身につまされる思いがしましたね(笑)
余談はさておき、ここから明治初年の琉球処分、大戦後の米国占領下、現在の基地などの問題とつながっていくわけで、琉球の皆さんをめぐる環境は何百年もの間何も変わっていない、何も解決されていない気がします。
この本、今は絶版なので、図書館で借りて読みました。