待ちに待った、今年のシズショースキー教室
一昨年だったか、偶然テレマークの接客をしたのがW山小学校からシズショーに戻ってきたN谷先生で、それまで【完全保護者丸投げ企画】だったスキー教室も安全対策などがかなり充実してきた
講師役の親を早めにゲレンデに集合させて注意点を伝えるようにしたり、パーティの先頭は保護者が務めることをマストにしてくれたり。
パーティに指導者が1人だとトップとテールをまとめられないんだけど、そんな時は『他のチームと合体して指導して下さいねー』と指示してくれるので、ちょっと控えめな親御さんも声を発しやすくなってるなーって実感。
八甲田に飛び込んでBCスキーのガイドになった頃、まずはパーティのテールを任されて転んだゲストを助け起こしながら山を覚えていったんだけど、テールに1人いることの重要さってすごく感じてる
保護者仲間のトモちゃんとは、毎年この話題になる
転んだとき助け起こすことでパーティが円滑に動くことができるってこともあるが、それ以上に転んじゃったり遅れたりした子供たちを『悲しい気持ちにさせない』のはテールの役目だったりする
むしろ、それこそが一番大切なことなんじゃないかなって思うんだよね
まだ黎クンが小学生だった頃は、リフトの上から見てると子供たちが先に滑っていっちゃって親が必死に追いかけているってのが散見された
その一方で!広島だったかな?スポーツ少年団のアルペン選手だかの高学年の女の子がスキー教室で暴走してしまい、ゲレンデ内で座ってたボーダーさんに激突してボーダーさんがなくなっちゃった事故があったんだ
翌シーズンのスキー教室の時、その話が出るかなって思ってたけど全く触れられることもなく、たぶんそんなニュースは気づかれてもいなかったのだろう
ボクの心の中には深く突き刺さっていたのだが。。
あとは、子供が転んで立てなくなっているのに、立つまでいつまでも待ってる親ね。
いやいや、足揃えて引っ張ってやれよ
そんなことも指導しなきゃいけないのかねーって、N谷先生と愚痴ってみたり。
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で、1発目の2/6のスキー教室は、高学年の4・5・6年生
ボクは6年生の下から2番目のパーティを受け持つことに。
聞いてみると、レベル的には一応スキーを履いて緩斜面でのターンはできるみたい
で、事前の打ち合わせで小学校に行きN谷先生と話をしていると、6年生の担任らしき女性の先生がやってきて…
「去年このチームの先頭を務めてくれた保護者の方が、第2リフトで『ついてきてー』ってビューンって滑っていっちゃって、どうにか後ろをついていけた子は下に着いてから後続の子を20分以上待ってて、ついていけなかった子たちはあちこちで転んで大変なことになってたんですぅー」って。
『つまりカオス?』
『つまりカオス。』
それって、いちばんダメなパターンじゃんねw
先頭は後ろを見ながら滑り、転んでる子がいたら安全な場所に停止して後続を待つなり登り返すなりして全体をまとめなきゃ。
…で、子供たちもちょっとトラウマになってるらしいという話。
担任の先生は昨年かなり大変な思いをした張本人らしく、プンプンするやら子供たちを心配するやら…
事情聴取を終えたところでN谷先生が『まぁ、その辺も保坂さんならバッチリ大丈夫ですから。ね?』って無茶振り噛ましてくるしw
担任の先生には『大体の状況はわかりました。それってぶっちゃけ一番ダメなパターンなので、同じことは絶対にしません』とお伝えして安心していただく
そして…
『大人って、ともすると技術だけを子供に伝えようと一生懸命になっちゃうけれど、本当はそうじゃないんです大切なことは』って。
『スキー教室で子供たちに伝えるべきことは、いつか大人になったときに《あの時、友達と滑って楽しかったなー》とか《風を切って滑るのって気持ちがいいなぁ》とかってことかと。そういう部分をまずは伝えていこうと思うんです』ってお伝えしてみた
横でニコニコしながら頷いてくれているN谷先生、そしてボクの前で目を丸くしている担任の先生。
【先生】たちは子供のことにかけてはプロだけど、スキーを愛する心ならトーチャンも負けてない
スキーっていうのはね、子供たちにとって、たぶん1つのキーなんだと思う
自分が育ったふるさとを、いつか振り返る時に必要になる、大切な宝箱の鍵なんだって、そう思うんだ
上手いとか下手とか、そんなのどーだっていい。
叩きつける雪の記憶、そんな中で見たゴーグル越しの友達の笑顔
たとえプルークだったとしても、自分の最高のターンが友達と滑った日にできたりしたら、人生のどこかでそれを思い出す日があるかもしれないじゃん?
『あの日はクッソ寒かったけど、あの時はサイコーに楽しかったよなぁ…』なんて、いつか思い出してくれたなら。
そして、それを裏方として支えることが許されるとしたら、こんなに幸せなことってないと思うんだ。
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そんなこんなで、前日の夜。
ノーマークだった
まぁせいぜい『バンバン雪が降る』くらいだと思ってたら…

マヂスカ ( ̄▽ ̄;)
下手したらリフト止まっちゃうんじゃね?ってくらいの等圧線の込み具合。
そして、当日の朝のIWKのホームページは…

ん?
恵みの雪??
強風&降雪かと思ってたけど…
思ってたけど…
現場に着いてみると、思った通りでしたwww
開会式でも先生から『もしリフトもゴンドラも運休したら、ヒルゴハン食べて学校に戻ります』って
それって、午後の授業あるってことだよね?
それだけは阻止してやらねばwww
そんなこんなで、いよいよスタートです
まずは第1リフトへ
パーティのメンバーは、昨年メインバーンでのカオス状態を体験したメンツがほぼそのままってことをリフトに同乗した子に確認。
『第1(リフトのコース)なら怖くないから、ここだけでもいいかなー』って
それってつまりは第2リフト及びそのコースは怖かった、ということの裏返し
リフトトップに着き、【ハの字】の姿勢を作って斜面の下を向いて『しっかりスピード殺せば下を向いたまま止まれるよー』って実演
そして、《深回り》《浅回り》の定義を説明して『スキーを三角(あえて子供たちが考えずに分かるように【三角】っていう言葉をチョイス)にしてターンしたら、そのまま横を向くまで待つ』『止まりそうになったら斜面の下に向かってターンして、こわいけどそのままスキーが横を向くまで耐える』ことを説明
さらにこれを実演して安心させる
でね、子供っていうのは有り難いことに真似することがとーっても上手なんだよね
あっという間にコツを掴んで上手くなっていく
7名の子供たちをまとめ、プルークボーゲンから2本目以降はシュテムボーゲンへ
『坂の下を向いたあとは、だんだんに上のスキーの角ッコを立てながら足を揃えてみてー』と、頭で紡ぎ出している言葉を【NHK同時通訳】みたいな感じで6年生が理解できる単語に直して伝えていく
プルークのままでしか停止できない子がほとんどだったけど前にいる子に激突することもなく、ちょっと余裕がある子にはポイントレッスン的に両足を揃えて停止する方法をレクチャーしながら『そうやって止まれるとカッコいいじゃん?』って、少し煽ってみたりw
技術を向上させようってことよりも、気持ちよくカッコよく上達する方が本人は絶対に楽しいもんね♪
3本くらい丁寧な深回りターンをトレインでやってみるとみんな着いてこれるので、先頭を昨年トップを勤めてくれた方に交代して引っ張ってもらいながら様子見
うん、できるよ。
これなら大丈夫。
何がって、昨年みんながカオスになっちゃったIWKのメインパーンの第2リフトのコース。
先頭が浅回りで流して滑るとパーティ後半の子達は暴走気味になるけど、たぶんボクがゆっくり目に深回りで引っ張れば問題なく着いてこられるレペル
昨年の悲しい記憶を消し去って、6年生としてのフィナーレを飾ってあげたい
そんなことを考えながら、ヒルゴハン休憩の時間に。
一抹の不安もあった、もし昨年の光景の再来になっちゃったら子供たちの記憶にはそれが残されてしまう
だけど、トライさせていいくらいの技量と、みんなのまとまりがある
ちょっと遅れた子とかゴーグルがずれて直してる子がいても、みんな嫌な顔せず待ってるし、合流した後の雰囲気もいい
ふと、親も含めて団結力が最高すぎた黎クンの学年を思い出す
で。
『午後は…』って言い出そうとした瞬間にね、女の子たちが『第2リフト行ってみたい!』って。
男子たちも『第2、オレたち行けるんじゃねー?』って。
1つ上のクラスから近所の男の子が合流したので、パーティとしてはむしろレベルアップ!
念のため、怖がってる子がいないかどうか一人づつそっと声を掛けてみると『一番最後は第1滑りたい』って声はあったけど、昨年のリベンジをしたい気持ちがチームとして強くなってきてるのを感じる
『午前の最後、流して滑った何本かは後ろから見てると暴走したり前の子にぶつかりそうな子もいたから、まずは第1で丁寧にターンする復習して、それから第2に行ってみよう!』と提案すると、子供たちみんな『やったー♪』って大盛り上がり。
先頭が丁寧に引っ張れば、着いてくることはできる
離れちゃうと暴走しちゃう子が出てくる
もう一人の指導者の方には『中間に入って後ろを気にしながら深回りで引っ張ってみてください』ってお願いし、ボクもスピードにのせつつも真横から山を向くくらいの深回りターンをしながら全体を観察
うん、これなら行けるぞ!
…で、ヤバイかもと思ったのは午後の核心部は第2リフトの乗車時。
チェア3つ連続で子供たちのスキーが外れてしまい、係員のお兄さんがてんやわんやwww
でもチェアに座らせたままスキーを履かせてくれたり、左右脱げちゃった子のスキーは雪の斜面をサッと駆け上がって束ねたと思ったら回収してラストにいる保護者に渡してくれたり。
いろんなところのスキー教室を受けているとはいえ、IWKのホスピタリティーの本気を垣間見た気がしました
んでもって第2リフトのトップに着くと…
『えー、こわーい!』『オレちょっとヤバイかもー』などなどの声が後ろから聞こえてくる…
さっきまで元気だったけど、昨年の記憶がよみがえってきたか?
さて、ここからがトーチャンの本領を発揮すべきシーン。
『みんな落ち着いて! スキーをしっかり三角にしてから下を向けば、こうやってストップできるんだよ♪』
『下を向いたらターンに入っていって、スキーが横を向くまでそのまま待つ! そうするとスピードが弱くなるでしょ?』って実演。
確かにここに立つと、大人でも技術レベルが高くない場合は足がすくむかもしれない
でも、さっきやってたことをここでやることができれば、暴走することなく安全に停止できる
イコール、怖くない。
そんなこと説明しながら『これって、洗脳だよな…w』なんて思ったりしたけど、自分が初めてフォールラインを克服できたとき(ワンゲルにいた頃に湯の丸スキー場のゲレンデのバーンから駐車場に降りる2mくらいの斜面をスキーのまま降りることができたとき)のことなんかを思い出していた
これを書きながら思い出したんだけど、テレマークの師匠のS田さんの『いいですか皆さんっ! テレマークの上達のコツは、思い込みと勘違いだっっっ!!!!』という名言(迷言?!)も、ボクの人生に良くも悪くも大きな影響を与えてくれていたりする
こういう体育会的なノリがいまの子供たちにウケるとは思えないんだけど、しつこいほどの深回りターンで滑ってみれば、結果的にみんな着いてこられるじゃんか❤️
一番下から2番目のパーティに指名されたことで、もしかしたら少し自尊心を傷つけられていたりした子がいるかもしれない
だけどさ、みんな止まって斜面振り返ってみなよ!
『なぁ、あそこからこんなに早く、しかも気持ちよく滑って降りてこられたんだぜ?! みんな、やればできるじゃん!! 転んだ回数だってそんなに多くないよな?』って声をかける
みーんな、最高の笑顔をしてる
昨年の記憶は、たったいま爽快で楽しい風の記憶で上書きされた
誰からともなく『もう一回行きたいなー』って
すると!『第2、もう一度、もう一度っ』て大合唱に
事前の打ち合わせで悲壮感漂ってた担任の先生に、この子たちの最高の笑顔を見せてあげたかったな
『スキーって、楽しいかも』
そう思ってもらえたら
その目的は、達成できた。
でね、
やっぱ男女混合パーティだと男子が前に来ちゃう傾向があるから女子の脚力が弱い子なんかは目が届きにくくなりがちなんだけど、今回バディを組んだ昨年の指導者の方も開眼してくれて、状況を見てパーティの中間に飛び込んで指導してくれたりして、第2リフトの2本目の滑降ではボトムにみんなが着いてから、午前中にいちぱん気にかけていた女の子が『ねぇねぇ、私いま転ばないで降りてこられたんだよ!』ってめっちゃ嬉しそうにボクのところに報告しに来てくれたんだ
え?
マジで?!
お世辞抜きでスゲーじゃんそれ!!
なんかね、自分の子供じゃないんだけどシズショーのスキー教室にここ数年絡ませてもらってたのもあって、その嬉しさがボクにもすっごく伝わってきて泣いちゃいそうだったよ
本人泣いてないのにねw
そして、『また来年も呼んでくれたら、いや呼んでくれなくても、スキー教室を手伝いたいな』って、心の底から思えた瞬間だった
最後の最後に、子供たちからのリクエストで午前中に滑った第1リフトのメロウなコースへ
第2リフトのコースを2本も滑って昨年のリベンジを果たしたのに、なんで第1リフトのコースを滑りたいんだろうって思った
フレンチの『お口直し』みたいなもん? とかって。
5年生だったら、そうだったのかも。
だけどさ、ふと気づいたんだけど6年生だったんだよね、この子たち。
人生で最後の《小学校のスキー教室》のラストランだったんだ
もしかしたら、第1リフトのコースに行こうっていうのは『初めてスキーって楽しいって思えた、あの日のコースをフィナーレにしたい』っていう気持ちがあったのかもしれない
このコースはスタート直後とゴール寸前に少し傾斜がきつくなるだけで、他はひたすら緩斜面が続く
だけど、彼ら彼女らのなかで、何か感じるところがあったのかもしれない
原点はここなんだったなって、思い出したのかも。

この日の夜、指導者で参加していた黎クンや魁クンの同級生がいる保護者仲間での飲み会があった
それぞれ担当した学年が違ったりしてたけど、共通して『あれだけ風が強くて吹雪いてたのに、子供たちが本当にスキー教室を楽しみにしていたみたいで、だれも文句言ったりしてなくて笑顔だったんだよ』って。
うちのチームもみんなに負けず劣らず、閉会式を終えた最後には最高の笑顔だったよ
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シズショー6年生のみんなへ
みんなが大きくなっていつか雫石を離れる日がくるかもしれないけれど、今日のことを時々思い出してくれたら、ボクたちはとても嬉しいです
あの吹雪の中で笑いあった、大切な友だちのこと
リフトに乗るときスキーが脱げちゃったのに、それを拾って履かせてくれたリフト係のお兄さんのこと
怖かったはずの第2リフトのコースを、今年は2本も滑ることができたこと
頬に感じる風が、いつもより爽快だったこと
具が多かったり少なかったりしたけど、温かくて美味しかった豚汁のこと(文句は保健の先生に言ってねw)
そして、指導者としてみんなと一緒に滑っていた保護者の皆さんや、スキーが好きでたまらないボクみたいな大人たちのことも
当たり前のようにある【スキーがすぐにできる環境】は、決して当たり前のものではありません
ボクはいろんなものを捨てて雪を追いかけて東北に移住したけれど、それを後悔したことはいままで一度もありません
身近すぎて分からないかもしれないけれど、この環境こそがみんなの宝物です
中学校に上がって、スキーをしなくなる人もいると思います
チケット高くなっちゃうからね
だけど。
この日のことだけは、いつまでも忘れないで心のどこかに大切に持ち続けていて欲しいと思います
またいつか、みんなと雪の上で会える日を楽しみにしています
最後に
今日という日をみんなと共に過ごせたことは、ボクたちにとってもかけがえのない宝物になりました
こころから、ありがとう。
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