ジブリ作品をずっと見てきた人間としては、
その設計図である、レイアウトを見れるのは非常に興味深かった。
(知らない人に説明)
レイアウトとは、絵コンテから、背景と人物画を書いてもらう前の設計図にあたるもの。
本来絶対必要なものではなく、手戻りがないよう宮崎駿監督が考案した。
とにかく、その枚数と一枚一枚の精度に驚嘆。
これ自体が下書きでなく、これをもとにまた書き起こすんだから、ここまでするか??
っていう感じ。
特に千と千尋の神隠しのレイアウトの部屋は、その量がどれだけのものだったか
実感できる。
自分の仕事に置き換えても、ここまで緻密な仕事ができているか?
自問自答してしまう。
そこのグッズ売り場で買った本が二つ。
(レイアウト本も買いたかったけど)
- 宮崎アニメは、なぜ当たる スピルバーグを超えた理由 (朝日新書 121)/斉藤 守彦
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時系列で、宮崎アニメとスピルバーグの作品とそのヒット(または不発)の
流れを追っており、自分が見てきた作品がどのぐらいのヒット(興行収入)だったか
その政策の裏側にあるものもわかる。
たとえばラピュタや、トトロが好きで、
ハウルが作品としてあんまりだったと思っていた者としては、
その興行収入は、
ラピュタ:5.83億円 対して ハウル:196億
と聞くとびっくりしてしまう。
ハウルが40倍の売上のヒットとなっているとは。
だが、この本を読めばなぜそうなったかがわかる。
作品の質とヒットは別。
もう観客は宮崎アニメというだけで足を運ぶのである。
じつはハウルは当初、「時をかける少女」の細田監督作品でジブリが
製作だったが、「千と千尋」で忙しく、結果的に世に出ず、
その後、宮崎監督で作ったという経緯のようだ。
ちなみにこの本が出版されたときには、まだ崖の上のポニョの封切前だが、
結果として、ポニョもすでに100億を超えている。
この作品もあんまりだけどなー。
あとは、あのナウシカが、宮崎監督の企画に対して
原作がないものはアニメ化できないという徳間書店の意向をうけて
まずはアニメージュで漫画をはじめたという経緯。
これには、普通に漫画を書いていてそれをアニメ化したと
思っていた僕にはびっくりなトリビアだった。
- 仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143)/鈴木 敏夫
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現場を動かすために、売るために。
プロデューサーとしてどう動いているのか、まだ読んでいないが
すごく参考になりそう。
一回行った展示会でこれだけ興味が広がると
嬉しい限りだ。
行った甲斐あり。