変身 / 東野圭吾 | MovingPlanet(惑星ブログ)~時をかける物語旅行~

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東野 圭吾
変身

東野圭吾は百夜行等、話題になっていたのに

今まで読んだことがなかった。


先日読もうとブックオフで一冊選んだのが

この作品。


あとで映画にもなっていると知ったが、

読むときはまったく白紙で裏表紙の

あらすじにひかれて買った。


<あらすじ>

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める

脳の正体は途中ですぐ見当がつくが、どうなっていくのかと

先を読んでいく面白さがある。


自分が主人公になった気持ちで読んでいけるので

人格が変わっていく恐怖が非常に伝わってくる。

心理描写がうまい。


どうなっていくのかと、最後までよませる内容だった。


以下ネタばれ


昨日と今日で自分の性格が違っているのは

移植された脳が影響を与えているのではないかと、

主人公は医者に質問する。


それに対して、医者は性格は変わっていくものだよと

弁解する。


この話では狂気の性格に変わっていくため

変わることが恐怖になっているが、

実際に性格や嗜好は変わっていく。


僕自身も昔楽しかった映画が今見てもおもしろくない

ということがある。


10代に見たほうが面白い映画、

見ておくべき映画というのは、確実になる。


例えば「スタンドバイミー」とか。

スタンドバイミー [ポスター]

グーニーズやグレムリンなどもそうだ。


それらは単に子供から大人になったと

いうことかもしれないが

確実になにかを失っているのだろう。


そして変わってしまった自分はもう昔には戻れない。

ただし、あらたな興味や嗜好が出てくる。



どんな風に自分が変わっていくか、そして

どんな自分に変えていくか、

いい意味の「変身」をしていきたいものだ。



※他の作品も期待大。