むびふるの映画日記 20代映画好き社会人のレビューブログ

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初めまして。映画好きの社会人むびふるです。
映画はオールジャンル見ます。特に好きなのは人間ドラマです。

「この映画を見てよかった!」と
満足感を高められるようなブログを目指したいです。

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個人的に以前から菅田将暉さんが好きだったので、結婚されたことが少しショックで(笑)

勝手に失恋した気持ちになるというか複雑な気持ちでした。

ましてや夫婦で共演されているこの映画は何となく嫌煙しており、

公開から少し経った今やっと傷が癒えたため、観ることができました。

 

あらすじ

中学生のころ、高橋漣と園田葵はお互いに惹かれ合い結ばれるが、葵の家庭の事情で突然引き離れてしまう。

漣は高校を卒業し、地元のチーズ工場で仕事をしていた。ある時、友人の結婚式で再開する漣と葵だったが、葵はすでに別の道を歩み始めていた。その後幾度となく漣と葵は出会い、別れを繰り返していく。

 

 

 

以下ネタバレ含みます。

 

若者への応援歌

この映画「糸」という題名からするに、男女の恋物語だと思っていました。

確かに恋物語なのですが、それ以上に若者の苦労話でもあるのです。

 

漣はやっと愛する人と結婚して幸せな道を歩み始めた途端、妻のがんが発覚する。

傷つきながらも仕事に奔走しながら、男手一つで子供を育てます。

また、周りに馬鹿にされながらも、地元のチーズ工場のチーズでチーズ世界大会に挑み続けます。

何度落選通知を受けながらも挑戦し続ける姿に勇気をもらいます。

 

また葵は複雑な幼少期を過ごしながらも、決して人生を悲観することはありません。

昼は大学に通いながら、キャバクラで働きながら生活費を稼ぎます。

大学卒業後は、シンガポールに行き友人とネイルサロンを開きます。

自分で人生を切り開いている姿は同じ女性として本当に尊敬します。

 

二人とも成功するか否かはさておき、頑張っているその姿が美しいと感じさせてくれます。

 

映画中友人である竹原(成田亮)が居酒屋で中島みゆきさんの「ファイト」を歌います。

まだ奥さんが生きていた時には桐野香(榮倉奈々)が歌っていたため、良い対比になっています。

あの歌が、奥さんをなくした漣や恋人への応援メッセージになっているんですよね。

 

登場人物の心情と歌が絶妙にマッチしており泣けてくるワンシーンでした。

ああ、頑張らないとな、としみじみ思わせてくれる応援歌になってます。

 

糸を表す意味

2人の人生が少しづつ交差しながらもなかなか結び付かないもどかしさを感じます。

だからこそ2人の様々なタイミングがちょうどあったときに結ばれた瞬間とてつもない喜びを感じました。

 

葵はこう言います。

「漣君といる時がいっちばん楽しかった。生まれてきてよかったって初めて思った。」

人と人がつながるからこそ喪失感や裏切りによる苦しみを味わうけれども

人とつながるからこそ大きな喜びを得ることもできますね。

 

桐野香は病室でこんなことを言います。

「生きていれば必ず何かにつながる。そういう風にできているんじゃないかな。世の中って。」

ドングリを投げて「行けよ。漣。」と言います。

まだ若くして妻を亡くしてしまう漣のことを思って

「私が亡くなった後も誰か素敵な人と出会ったら遠慮なく結ばれていいんだよ」と背中を押しているようでした。

 

いざ葵と再開したときに、漣の背中を押したのは愛娘が投げたドングリでした。

漣はドングリで亡くなった妻のメッセージを思いだし、走り出すシーンが好きです。

 

奥さんとの出会いで、背中を押された漣。

母からの教えで人にやさしくすることを覚えた愛娘。

縁がつながり、その縁がまた新たな大切な人への縁を紡ぐ様子を見ることができました。

 

糸は時に切れてしまうけれども、また絶対に誰かと糸がつながり

糸と糸が折り重なり布になることで、誰かを温めることになるのだろう。

 

中島みゆきさんの名曲「糸」をこれほどまでに深く味わったことはありませんでした。

ストーリーにすると理解が深まるというのは本当ですね。

この歌、この映画に出会えてよかったです。

 

まとめ

この2人を見ていると、本当に1組の男女が出合って一緒にいることって奇跡だなと感じます。

出会うタイミングやお互いの感情の波そういったものが合致して初めて人と人は繋がり会うことができる。

また縁が切れてしまったとしても、絶対にまた良い縁に巡り会えると信じることができました。