狂気を楽しむ感じで:「劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」レビュー | Ryan D.Cuemericの気ままなブログ

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書きたいことしか書かないようにしてます。映画、アニメ、漫画など、色々レビューしたり、日常生活で思ったことを書いたりします。また、小説なんかも書いて行きます(小説家になろうと並行して)。

 

前書き

冬休みにCDを入れるための棚を自分で作ったのだが、それがもうすぐ埋まりそうである。というのは、買うペースが早すぎるからで、このままだと今年中には確実に埋まってしまいそうだ。ブックオフオンラインでクーポンを利用して購入しているが、そろそろ買う頻度を減らさなければいけないのかなあ、とか思いつつ、一枚あたりの単価が高いやつを買えばいいのかな、とか思ったりしてます。それでも、やっぱ欲しいCDが多いんだよね、買ってもすぐ聴かないくせに。なんなら、未だに聴かずに放置しているものとかもあるんで、いろいろ繰り返し聴かなきゃなあ、とか思っている今日この頃です。ちなみに最近買ってよかったなあと思ったアルバムはElectric Ladylandです。

 

 

どうも。お久しぶりです。なかなか書く元気が起こらず、気が付けば3か月近く放置していました。この間にもいくつか映画は見ましたが、やはり書かずに放置...今年の年末はちゃんと映画ランキングを作りたいと思っています。ああいう手抜きではなくてだな。

というわけで、今回レビューする映画は「劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」です。

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実はこれ二回見に行ったんですよ。今日見に行ったのは二回目で、ちょうど4DXでの上映が始まったタイミングでしたね。4DXでやると決まったときはまあどうでもいいかなあ、と思っていましたが、近くの映画館でやるとわかった瞬間に俺のセンサーが反応したので見に行きました。なので、このレビューは二回目の感想と思って見てくだせえ。

今も公開しているのでネタバレはなしです。というか、今回はあまりストーリーには触れないのでご心配なく。ただまあ、所々うっかりネタバレしてしまうかも...それでもいい人は見てってね。では行こう。

 

アニメーションは過去最高の出来

もはや私が言う必要があるのかどうかすら怪しいくらい言われまくってることだけど、アニメのクオリティは間違いなく今までのウマ娘のアニメの中では最高の出来です。マジで。

いや、すごいよこれはホントに。二回見たけど、さあ、レースシーンの迫力はもう鳥肌立つレベルで圧倒されたね。特に最後のレースがとにかくヤバい!もうアニメだけでも見に行く価値ありよこれは。なにせほんと、アニメにしかできないような構図というか、カメラワークをガンガンやってるしねえ。これぞアニメだ!this is the animation!

 

さらっと批判するとは…

ここからは個人的に気になったポイントをいくつか紹介。

まず、これは作り手がどういう意図で用意したかどうかに関わらず私が感じたことなのだが、いわゆるマスメディアと歩きスマホを批判していたのがよかったねえ。

マスメディアで言うと、例えば話の序盤が中盤あたりでずっとこいつのことしか言ってねえ!って怒ってるシーンがあるんだけど、これがもう俺にはドンピシャ。ああ!偏向報道ばっかしてるメディア批判してる!流石サイゲだぜ!とか思ったりしましたね。これ他に思った人いるかなあ。

まあそれはともかく、今のメディアってずっと大谷翔平のことを持ち上げてるじゃん。もちろん大谷は全く悪くないんだけど、メディアがずうっと取り上げてさあ、ウンザリしちゃうでしょ。最近のこういう状況について。ある意味、そういう現代社会を痛烈に批判したシーン、だと少なくとも私は解釈致しました。

あとは歩きスマホだが、これもさらっとやってるんだよねえ。あのお、見たら分かります。この映画の中で歩きスマホをしている人間は一人だけなので。ここもよかったねえ。歩きスマホしている人間をねえ、なんとも鬱陶しそうに避けるのだ。素晴らしいねえ。これ。

やはりサイゲにはこういった社会批判精神がまだあったということでしょうか。いつまでもパンクロックな精神を忘れないサイゲには尊敬しかないね。もう、アニメとこのシーンだけでも満点あげたいねえ。

流石に冗談です。レビュー続けますね。

 

キャラの扱いはやや雑か?

ここまで褒めちぎってきましたが、一旦気になったポイントを挙げますね。いいとこばっか挙げるのはだめだからねえ。

というのは、書いてある通りキャラの扱いがやや雑に感じたところです。

本作の主人公ってジャングルポケットってウマ娘なんだけど、キャラのドラマの掘り下げがこのジャングルポケットとトレーナー、先輩ポジのフジキセキ、そしてライバルのアグネスタキオン、これらに絞っているんですわ。

もちろんこれが悪いわけではないですよ。なんでもかんでも盛り込みすぎたらそれはそれで主人公をしっかり立てろ!って文句を言うと思うので、この選択はいいとは思います。だけど、割と出てくるのにそれほど掘り下げられないキャラがいる、というのは流石にどうか、と。それなら、上映時間をもう少し長くしてでも描いたらよかったんちゃいますか、と。

とはいえ、これは一回目に気になったポイントです。二回目はこれらを割り切ったので、一回目より楽しめました。だからまあ、これから見に行く人は気にすんなって、nevermindやって。

 

ギャグパートは慣れの問題⁉

一回目に気になったポイントを挙げてしまった以上、もう一つの気になったポイントを挙げないわけにはいきません。

それはギャグパートです。これは好み分かれそうだなあ、と見ながらに感じた。

なんでかってっつって、さっき言ったジャングルポケットが、ギャグパートになった途端にスライムみたいに崩れるんですわ。

正直に言うと、これは俺は一回目はうわあ、合わねえなあ、と思った。が、その後のシリアスパートとのバランスを考えればむしろもっと多くても良かったのではないか、とすら思ったり。

でもこれは一回目のアレ。二回目はもう慣れたので、一回目より(以下略)

 

話変わるけど、さあ、シリアスパートのBGMが個人的に良かった。なんというか、Nine Inch Nailsみたいな曲が流れたかと思えば、ダークさを取り除いたJoy DivisionのDisorderみたいな曲が流れたりなど、バラエティ豊かに取り揃えておりましたな。他にもなんかあった気がするけど、もう覚えていない!とにかく、洋楽好きでも楽しめるBGMたちだったなあ、と。

 

 

 

4DX上映について

せっかく4DXでみたので、それについても少し。

結論から言うと、すごくよかったです。どこかで、「4DX上映では見るな!」みたいなコメントを見かけましたが、とんでもない。むしろこの上映方法ほど、この映画にマッチしたものはないといっても過言ではないレベルの体験でしたよ。

何がよかったかって、もう終始席が揺れまくるのよ。カメラのワークに合わせて動いたりして、日常的な場面でもとにかく動きまくる。カメラの動きにマッチしてるからこそ、圧倒的な没入感が味わえます。もちろん、レースシーンでの迫力は言わずもがなですよ。

ただ一つ、気になったところがあって、スモークが出る場面があるんだけど、スモークがなかなか消えなくて画面がしばらく見えずらかったです。そこ、もう少し改善してください。

そこさえ気にならなければ、恐らく最高の4DXを楽しめますよ。ここまでよかった4DXは、ゴジラ-1.0以来かも。

 

あとこれも関係ないわけではないが、4DXと聞いて思い出したことを一つ。見に来た客が臭い!という意見があるそうな。なんか、五等分の花嫁のときにも似たようなこと起きてなかったか?そんなのはともかく、私が見に行った二回とも、臭いなんてことは思わなかったです。だから恐らくデマ?それとも私自身が臭い?いやいや、毎日風呂に入ってますがな。こういうのって、毎日風呂どころかシャワーも浴びてない人達のことを言うんじゃないの?それなら俺セーフだろ。

 

「狂気」との関係について

‎The Dark Side Of The Moon (50th Anniversary) [2023 Remaster] by Pink ...

ここからは私なりの本作の解釈です。見てない方は飛ばしてください。

本作、一回目も二回目も、すごくThe Dark Side of The Moonに関係あるなあ、と思いました。

いやいや、何を言ってるんだ、と思う人がいるかもだがとにかく聞いて欲しい。

というのはですね、本作大事な場面にプリズムが登場するんですよ。プリズムって、一般的なのが三角柱のやつだそうなので、そうでない形もプリズムとしては成立するそう。そんなことはさておき、プリズムだとォ⁉狂気のジャケットじゃねえか!形こそ全く違うが、プリズムとしては同じなんだからいいじゃねえか!

だからまあ、この映画におけるプリズムって、ある意味狂気の象徴なんですわ。The Dark Side of The Moonと同じく。

実際、ウマ娘ってある意味狂人なんですよ、人じゃないけど。だってさあ、あそこまで走ることに執着しているんでしょ?ましてや、それでケガしようがうるせえ!そんなこと知るか!とでも言わんばかりの行動してるんですよこの映画。これもう狂気でしょ?やっぱりこの映画の真のサントラは狂気ではないか、とすら思ってしまう。

それはさておき、劇中、時間は有限だからね、みたいなセリフがあるんだけど、これを聞いた瞬間真っ先にTimeが思いついたね。

 

他にも、狂気にはOn The Runっていう曲が入っていたり、同じく収録曲のBrain Damageの邦題が「狂人は心に」(ほぼ映画の展開と同じだあ!)だったり、なんならその曲の歌詞にこんなものが入っていたりします。

The lunatic is on the grass

直訳すると「狂人は草原の上にいる」ですかね。先ほどまでの話に加え、草原をターフとするとこれは...何か運命的なものを感じますね。これを偶然と呼んでいいのでしょうか?制作陣の中には洋楽好きが混じっていたということでしょうか。そんな風にこの映画を見るのもいいですね。なのでこの映画を見に行く際には、この「狂気」のジャケットが印刷されたTシャツがおそらくベスト。

 

まとめ

非常にハイクオリティなアニメーション、濃密なドラマ(主に主人公サイド)、そして様々な解釈など、あらゆるものが高レベルで融合した最高のエンタメ作品です。見終わった後は、気怠さに似た心地いい雰囲気になれます。これもまたよき。皆さんもComfortably Numb味わってみてね。

冗談抜きで言うと、満足度で言えば今年のDuneを凌ぐなあ。とすると、このままだと本年度ベストはこれか?まだ半年しか経っていませんけど、本作が今のところ暫定1位です。

擬人化だからって、甘くみてはいけませんよ。見てない人は早く劇場へ急げばいいのではないでしょうか?私が今年みた映画の中ではこれが一番勧められます。後悔する前にどうぞ!

 

ということで今回のレビューは以上だ。いやあ、面白かったですねえ。見終わったあと、ここまですっきりした気分になれたのは、ショーシャンク以来かもなあ。機会があれば、また見に行きたいと思いました。

では、これで本当におしまいです。明日はマッドマックス フュリオサを見に行きます。これも楽しみだなあ。