おもに渋谷を発信源とした1990年代のミニシアターブームを牽引し、現代もカルト的人気を誇る『バッファロー66』(98年)。この映画の大ファンだというのが、暗黒プロレス組織666のラム会長である。昨年秋のリバイバル公開時にアンバサダーとして宣伝活動をおこなったラム会長が、本作の魅力を語る。
「10年くらい前、いろんな映画を見ていくうちに、大ヒットした映画っていうのはもちろんおもしろいんだけど、自分は単館系やミニシアター系、いわゆるアート系の映画が好きなんだというのがわかってきたんですよね。そんななかで出逢ったのが『バッファロー66』。ヴィンセント・ギャロの作品に衝撃を受けました。とにかくシンプルにおしゃれだなというのが一番に来て、登場人物もおしゃれだし、使われてる音楽もおしゃれ。カメラワークもすごいなと思って、とにかく圧倒されました。
あの映画って、自分のあこがれの世界観がいっぱいに詰まってるんですよね。例えば私はイギリスのカルチャーやファッション、音楽が好きなんですけど、アメリカのカルチャーも大好きで、いわゆるダイナーとか、ああいうクラシックなアメリカンな世界へのあこがれが強いんです。『バッファロー66』に出てくるファミレスのシーンとか、ボーリング場のシーンとか、たまらないですね。まさに私があこがれる世界なんですよ。好きなシーンですか? やっぱり、クリスティーナ・リッチ演じるレイラがボーリング場で踊るところですね。ボーリング場で、ビリー(ヴィンセント・ギャロ)とレイラが2人で(証明)写真を撮るところも大好きです。あのシーンは、自分もいつか恋人とやりたい(笑)。(ボーリング場で)踊らないけど(笑)。踊らないけど、クリスティーナ・リッチが着てた水色のワンピースあるじゃないですか。あれと同じものを、プロレスのコスチュームを作ってくれる人に頼んで作ってもらったんですよ。そのワンピースを着て、映画館に観にいきましたよ。ちょっとこっぱずかしかったけど(笑)。私、いま、金髪にしてるんですよね。クリスティーナ・リッチやレイラをマネしているわけではないけど、やっぱりどこかで意識している部分はあります。『バッファロー66』と666。『6』が重なってるの偶然なんだけど、それでもどこか運命めいたもの感じちゃいますよね」