※『家出レスラー』は６月30日（日）より、愛知・刈谷日劇にて追撃上映！
岩谷麻優の半生を描いた『家出レスラー』（24年）のオーディションに応募、岩谷を演じるつもりで臨んだのだが、そこは映画ではなくプロレスラーのオーディション会場だった。そんな勘違いからスターダムに入団しプロレスラーになったのが、アクション俳優を志していたさくらあやだ。そのさくらが、もしかしたら出ていたかもしれない『家出レスラー』を鑑賞。実はレスラー役で出演も果たしていた！
――「家出レスラー」のオーディション違いでレスラーになったさくら選手ですが、ホントは岩谷をやるはずだったのに、との思いはありませんでしたか？
「ハイ。でも、いまはプロレスラー生活が楽しいし充実しているので、そういう気持ちとかはちょっと忘れちゃいましたね。なので、ホントに冷静に、楽しみな気持ちで映画を観ました。主役の平井（杏奈）さんがホントに岩谷さんにしか見えなくて、私、普通にオーディションを受けていても絶対にこの子が役を得ていただろうなと思うし、表情のふとした瞬間とか後姿とか、クセとか全部の再現度が高くて、役者さんってすごいなってあらためて思いましたね」
――もしも合格していたらどうなっていたでしょう？
「たぶん、主演ではなかったと思うんですよ。実際、撮影現場とかにも何回も行かせてもらったんです。セコンド役でちょいちょい出てるんですよね。たわしーずと対戦もしてて」
――たわしーずとは、ブレイク前の岩谷選手が所属していたお笑い要素の高いユニットでした。映画のマジックで、現役選手のさくら選手が時空を超えて対戦したことになりますね。
「そうですね。現場でも、平井さんがもう麻優さんにそっくりすぎて、あ、麻優さんいると思ったら、平井さんで。この人には勝てなかったなと、ホントに思います」
――劇中でも、山口にいるときの姿とレスラーになってからが全然違いますよね。別人に見えます。
「そうなんですよ。10代の引きこもり時代から経験を重ねてアイコンになっていく姿とかもちゃんと作り込まれてて、さすがプロの役者さんだなと思いました。だんだんとオーラが出てくる感じとかもすごくて」
――どのシーンが一番ささりましたか？
「一番泣いたのが、プロテストのシーンです」
――自分のときと重ねたとか？
「ハイ、重ねました。自分たちのときは、プロテストも受けられなかった同期とかもいたので。ケガでちょっと今回は、とかいう同期もいたんですよね。あと、ケガとか問題が起きて人が離れていくようなところも。私にも初めは同期がもっといて、だんだん去っていくのがすごく寂しかったので、そういうところが重なりました」
――自分の体験ともろに重なったと。
「ハイ、そうですね」
――さくら選手も空手から始まり、さまざまな経験を経てプロレスにたどり着きました。いずれはさくら選手の人生も映画化とか？
「勘違いから生まれた“勘違いレスラー”（笑）。ハイ、やりたいです！」