完成披露試写会にて
山口凱旋大会にて
※6月30日(日)より、刈谷日劇での追撃上映が決定!
スターダムの岡田太郎社長は、岩谷麻優の半生を映画化した『家出レスラー』(24年)のプロデューサーでもある。が、製作の段階においては、公開時に自分がスターダムの社長になっているとは夢にも思わなかった。そんな岡田社長に、映画についてインタビュー。今回は、その前編。
――プロデューサーのひとりに名を連ねている岡田社長ですが、映画公開時に団体の社長になっているとは、まさかの展開ですよね。
「そうなんですよ。まさかスターダムの社長になるとは思っていなかったですし、社長になったときには『家出レスラー』のことよりも目の前のことでいっぱいでした」
――映画を忘れるくらい?
「そうですね。ただ、公開が近づくにあたって、どうしようかなという思いが芽生えてきて」
――というのは?
「見ていただければわかるんですけど、ボク、出てるんですよね」
――出演していますね。
「ハイ。出演しているので、なんかややこしくなっちゃうなみたいな(笑)。まあ、そんなこともないんですけど、『社長だから出たんでしょ』みたいに思われたらイヤだな、くらいの気持ちがちょっと芽生えました。でも本当は、社長だから出たわけではないんですよね」
――撮影は社長就任より全然前でしょうから。
「もともとスタッフの中に元役者の人がいて、その方が出る予定だったんですね。その人がちょっと別のところに行ってしまったので、監督の方から『じゃあここ、ちょっと出てくださいよ』となりまして、出ました」
――ついでだから出ちゃえば、みたいなノリで?
「そうです。ただ結果的に、作品が未来を予知というか、撮影後のいまにも通じるものがあって、そこをお客さんがどう見るのかなという思いが芽生えました。作品自体はフィクションとはいえ、現実とリンクしている部分もあるので」
――そうですね。ではなぜ、岡田社長はこの作品のプロデューサーになったのでしょうか。
「実写映画を作るのはブシロードの中でもなかなかないんですね。しかもプロレスが題材ということで、なるべくプロレスを知っている人がこの映画をやった方がいいと。そこで、新日本プロレスのお手伝いやスターダムの入場テーマ曲をやっている自分がそれに近いだろうと。声優のライブや舞台をやっていたので、映像ではないですけども実写的ということで、エンターテインメントとプロレスの両方を心得ている人間として、木谷オーナーの方から『オマエやったら?』と声をかけていただきました」
――岩谷選手の半生を映画化するということでしたが、団体に関わる前だったので岩谷選手について知らない部分も多かったのでは?
「そうですね、まず最初にやったのは、岩谷選手を好きになろうと。岩谷さんの本を読んで、岩谷さんの試合を見て、どんな人かなというのを知るところから始まりました。この人の半生を描くからには、自分がみなさんと同じくらいに岩谷選手を知って、好きにならないといけない、ファンにならないといけない。ファンになりたい。そう思って試合を注目して見るようになりましたし、過去の言動とかも含めて見るようになりました。また、それ以前、2016年にフジテレビで『女子プロレスBlossom―若き戦いのつぼみ咲くー』というドキュメンタリー番組があったんですよ」
――ありましたね。紫雷イオ、岩谷麻優、宝城カイリの3選手が中心だったかと思います。
「ハイ。そこでスターダムが取り上げられていて、そこが岩谷選手との出会いというわけではないですけど、それをきっかけに岩谷選手に注目していた記憶があったので、その記憶を思い出しながら自伝本を読んだりしましたね。過去の自分がやってきたこと見てきたものがここでつながるなと思いながら岩谷選手にさらに注目するようになりました」
(つづく)