映画で二刀流の“モノが違う女”朱里。「家出レスラー」で花月イメージの羅月を演じる! | プロレスライター新井宏の「映画とプロレスPARTⅡ」

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(C) 映画『家出レスラー』製作委員会 (C) World Wonder Ring STARDOM

 “スターダムのアイコン”岩谷麻優の半生を描いた映画『家出レスラー』(24年)に、“モノが違う女”朱里が二刀流で参加した。

 朱里はレスラー役で出演する俳優にプロレスを指導すると同時に、岩谷マユ(平井杏奈)のライバルである羅月を演じている。名前からしてわかる通り、羅月とは花月をイメージした役柄だ。ヒールであり、引退を控えた身というのも、実際の花月を踏襲している。そんな羅月を朱里はどう演じたのか、聞いてみた。

――羅月役の朱里選手ですが、花月選手をイメージして演じましたか、それとも朱里そのままの気持ちで臨んだのでしょうか。

「花月ですね。もともと花月を知ってるし、スターダムに出るきっかけになったのって花月なんですよ。あるとき花月が『スターダムに興味ありますか?』と言ってくれて、もちろん興味あるし、フリーなので、もし機会があれば出たいなと言ったんですね。そこからスターダム参戦を意識するようになりました。その後、ジュリアから誘われて実現したんです」

――なるほど。そういう縁があったのですね。では、羅月を演じるにあたり気をつけた点はありますか。

「花月の試合とかちゃんと見て、試合が始まるときに一度腰を落として気合いを入れる仕草とか研究しましたね。映画では羅月はスターダム3期生。そこはフィクションなので、花月をイメージしながらも、台本を見ながら自分が思う羅月像を自分でイメージして演じさせていただきました。マユの後輩という設定ですから、後輩感というのはちょっと意識しつつ。でも、そんなにしゃべる感じではなく、クールで、ヒールで、でもちょっとしたときに優しさがある羅月というのを演じられればいいなと思いました。あと、マユとの関係性とかをしっかりと見せられたらいいなというのを思いましたね」

――羅月とマユの試合が映画のクライマックスでもあります。演じていかがでしたか。

「まず毒霧のシーンがあって、もともと私はやらないので、お風呂でメチャクチャ練習したんですよ(笑)。しかも一発勝負だったので、すごく緊張しました。失敗すると全部やり直さないといけない。メイクからなにからすべてやり直しですからね。そこがもうドキドキでした。それが結果的に一回でうまくいったので、すごくホッとしましたね。また、そのときは後楽園ホールで11~12時間くらい撮影していたんです。まず最初に、メイクさんに用意していただいた羅月のメイクをして髪をオールバックにして出ていったんですけど、そうじゃないと。時間がないなかで全部洗ってメイクし直して髪型も変えて、またそれにプラスして台本でセリフがすごくプラスされていたんですよ。それでもうテンパっちゃって。しかもそれが撮影の最終日で、自分のせいで撮影が長引くなんて最悪じゃないですか。それでテンパっちゃって、おぼえられなかったらどうしようみたいな感じで相当あせりました。そしたらヨリコジュン監督が、『ちゃんとできたらオレの次の作品に出してあげる』みたいなことを言ってくれたんですね。そこから気合いが入りました(笑)。それもあって、なんとかこなせたのでよかったです。なので、次にまた出させてもらえたらうれしいですね。女優さんをこれからもやりたいので、監督、(オファーを)待ってます(笑)」