スターバック出演の北欧アクション「RENDEL レンデル」 | プロレスライター新井宏の「映画とプロレスPARTⅡ」

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 B級パニックアクションコメディ―「アンツ・パニック 巨大蟻襲来」(17年)がCS放送ザ・シネマで放送された“北欧の神”スターバック。プロレスラーでミュージシャン、そして俳優でもある彼のキャリアのなかで、長編デビュー作にあたるのが、日本でも劇場公開された『RENDEL レンデル』(17年)である。

 18年2月、さまざまな事情から一時は劇場公開が見送られた作品を映画館で上映する「未体験ゾーンの映画たち」で紹介された『RENDEL レンデル』。「北欧フィンランド初のダークヒーローアクション」との触れ込みで公開された本作は、「バットマン」のダークな部分を北欧流にアレンジした作品だった。とはいえ、主人公レンデルは一般人であり、決して特殊能力を持つヒーローではない。ましてやバットマンのような大富豪でもない。

 不況のなか大手薬品企業に就職した主人公は、会社の実態が人体実験から巨利を得ようとする犯罪組織であることを暴く。その代償として、主人公は愛する妻子を殺されてしまうのだ。主人公は漆黒のマスクとコスチュームを身にまとい復讐に乗り込むのだが、組織は世界各地から腕利きのバウンティハンターを招聘、レンデルの抹殺をもくろむ。そのバウンティハンターのひとりを演じるのがスターバックなのである。

 スターバックはロシアから呼び出される傭兵で、なぜか英語をしゃべっている。それはともかく、マシンガンを手にしたスターバックが実に画になる。アクションシーンではプロレスラーらしい動きを披露。至近距離からラリアットをぶちかまし、ダブルアームスープレックス、投げっぱなしジャーマンを放つ。しかし、スターバック演じるジミーの最後は…。

 ダークでありながら、ところどころでトホホな展開も待っている。メキシコのフェラタム映画祭で最優秀アクション映画賞を受賞し、

ヘルシンキ国際映画祭、レイザーリール・フランダース映画祭、シネポカリプス・シカゴ映画祭、ファンタジー・フィルムフェスト・ベルリンなど数々の映画祭に出品した実績も。ただ、レンデルが復讐のために闘っているとわかるのは映画中盤になってから。時系列通りに描いた方が、よりエモーショナルになったと思うのだ。