もっとも近くでカートの人生を辿る旅。
監督はローリング・ストーンズを
題材にしたドキュメンタリー映画
「クロスファイヤー・ハリケーン」の
ブレッド・モーゲン。
カート・コバーンしかりNIRVANAの
書籍、映像作品は沢山でている。
その中で自分が「カート・コバーン」という
人物を知ってもらうなら迷わず本作を
上げる。なぜなら、この作品は
カートへの愛が溢れているからだ。
インタビューがカートの身近な
人間である父のドン、母のウェンディ、
妹のキム、妻のコートニー、NIRVANAの
クリスの5人に限定しているのもあるが、
皆がありのままのカートを話している。
(ように感じる。)
母のウェンディが話す、
「幼児期は活発でいつも周りに人が
集まる子だったわ」と。
バンドメンバーのクリスが話す、
「彼は繊細で神経質だった、
いつも批判に悩まされていたよ」と。
誰もコカイン中毒のイカれたロックスター
なんて話さない。
皆が話すその一言一言が、本当の彼を
浮き彫りにしていく。
「アートは事実じゃない。けれど、
アートは感情とつながるものだ。
彼のアートには本物の感情がある。
恥、罪の意識、反発、カートの曲に
あるのと同じ感情がある。
彼は自分の感情や視点、経験を
音楽や絵、ショートフィクションで
表現し、世代を超えた人々とつながる
ことが出来た。共感を生んだり、
慰めあったり。それこそが僕が
この映画で描きたかった事なんだ」
と、監督がインタビューで語っているように
本作では、カートのヘタクソな絵、
ラクガキが動き出したり、部屋で1人で
録音した音声がアニメーションによって
その時の風景や感情がダイレクトに入ってくる。
そうする事によって彼のアートに魂が宿り、
よりカートの内面を表現しているように
見えた。
製作総指揮に実の娘である
フランシス・ビーン・コバーンが
名を連ねているのも父への愛なのか
はたまた父の思い出がない
フランシスにとってはこの作品を
通して父を身近に感じたかったのだろうか。
映画終盤、カートがフランシスをあやす
映像が出てくるがなんとも微笑ましかった。
カートを身近に感じ、彼の人生を
最前列で眺めているような作品。
少しでもカート・コバーンに興味が
湧いたならまずは本作を観ていただきたい。
★★★★









