日常 | いい映画を観よう!α

日常

 最近なんとなくリピートして見ているテレビアニメ。「日常」(2011/京都アニメーション、ランティス)です。
 すんません。映画ではありません。
 日常に起きそうな何てことないことを、何てことなく描くアニメ。ただ非日常なのはその描写、実にシュールなんです。
 舞台は大きく二つ。一つはゆっこ、みお、まいが登校する時定(ときさだめ)高校。女子高生の日常にある喧嘩やおばかな出来事が時に大げさに、また時にゆるゆると綴られます。
 いろいろ好きですが、第14話の「焼いた鯖」のシークエンスがシュールでありながら最後は感動?のラストにつながります。
 みおがゆっこに買い物を頼んだ、或昼食メニュー。聞き間違えて焼いた鯖を買ってくる。そこから大喧嘩。馬鹿だのアホだのの罵倒合戦。だんだん「おまえの母ちゃんデーベーソ」的な展開に・・・どこで決着するのか。
 なんというかよく「馬鹿な男子高校生」と、しょうもない展開を表現することがありますが、鯖エピソードを含むこのアニメはその女子版。だからこそリアリティがあるんですね。面白いんです。
 もう一つの舞台は「東雲研究所」。
 アンドロイドの”なの”(後に時定高校に通うことになる)、なのを作った”はかせ”(実は4歳)猫の阪本がキャスト。東雲家で起こる出来事が実に不条理。小さな女の子が巻き起こすわがままざんまいに振り回される大人と猫。なんとアットホーム。日本のご家庭の縮図を描いているよう。
 構成は24分に10本弱のシークエンスを盛り込んだオムニバス。全26話。原作のマンガの世界を壊すことのない、ページをめくっているような感覚になるアニメです。
 オリジナルはあらゐけいいち原作で、少年エース(KADOGAWA発行)連載のギャグアニメ。単行本も10冊を越える人気作。世界観を壊さない作品になったのが支持される理由でしょう。
 製作は「けいおん!」「涼宮ハルヒの憂鬱」「free!」などの京都アニメーション。監督は涼宮ハルヒ~の石原立也。ある意味最近の学園アニメの老舗ですね。
 そうそうこのアニメ、「初めて」があるんです。民放独立局中心に放送されたアニメでは初めてNHKで放送されたんです。それも未放送エピソードを含む再編集版が。こちらのクオリティが非常に高く再放送の要望が殺到して実現したんだそうです。
 オリジナルの民放版ではスロースタートだったのですがNHKが放送したことで人気が高まったんですね。来年には「ラブライブ!」の放送が決定。さて人気の再燃になるか・・・。
 もう一つ面白いのが2クール目のエンディング。合唱曲が週替わりで使われているんです。懐かしくてつい歌ってしまう名曲が勢揃い。これを集めたアルバムも発売されています。
 とにかく一風違う日常世界が詰まったアニメ。DVDも出てますので機会があれば是非。
 ちなみにキャラクター人気ナンバーワンはかせなんだそうです。