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忘れられた栄光と自分の選んだ道

 ずいぶん間の空いたブログになります。書きたい映画は山のようにあるのですが、いかんせん、時間が取れずにおります。

 

 最近はちょっとしたことで涙腺が緩んでいるのは、寄る年波のせい?と思いつつも、まあ、自分の琴線に触れる何かがあったんだろうと納得させています。

 

 で、今日はマイク・ニコルズ監督、ダニー・ケイ主演『五つの銅貨(1959/パラマウント)』です。

 ミュージシャンものの映画は数多あります。ベニー・グッドマン、グレン・ミラー、チャーリー・パーカー・・・。ジャズプレーヤーが多いですね。この映画もミュージシャンの伝記映画。さらに、このときはまだ本人がご存命中でした。

 

 ユタ州の田舎から都会に単身出てきたコルネットプレーヤーのレッド・ニコルズ。都会の雰囲気に飲まれ、注目されつつも、ラジオのバラエティショーで演奏をして日銭を稼ぐ日々が続く。いつしか自分のバンドをもって演奏できる日を夢見つつ。

 彼も結婚し一人娘を設けます。お父さんがバンドマンなので、ナイトクラブにはお父さんの親友のアーティストもたくさん。まだ小さいお子だけれども、眠れない夜はせがみ倒して音楽を聴いて楽しんでいる。

 ニコルズが全米を回るツアーに行かなければならない、連れていくと少なからず子供にも影響があるかもしれない。そう感じ、寄宿舎のある学校に入れることになる。一番の親友だった父親に「裏切られた」。その思いは消えず、感じたニコルズはコルネットを捨て一切の音楽の道を自ら断ってしまう。有名になる一歩手前・・・。

 時は過ぎ造船工場で働くニコルズ。音楽を辞めた理由を知らない娘。13歳の誕生日パーティでニコルズの話題は出るが、すでに「あの人はいま」状態。娘までもが、「そんなにうまいのならやめなければよかったのに。大した腕じゃなかったんでしょ?」・・・。

 

 これはストーリー途中です。ラストは家族愛が彼をもう一度奮い立たせる下りになっていきますが、後程。

 

 主演はエンタテイナーの代表ともいえるダニー・ケイ。

 ケイといえば、『虹をつかむ男(1947/サミュエル・ゴールドウィン)』『ホワイト・クリスマス(1954/パラマウント)』『アンデルセン物語(1952/サミュエル・ゴールドウィン)』といったちょっとコミカルな役どころが多いですね。もちろんこの映画でもいかんなく発揮されておりますが、後半の笑顔の裏にある人間の哀愁もなかなか見ごたえのある演技になっています。

共演はルイ・アームストロング。二人が立つステージシーンは圧巻。When the Saits Go Marchin' inのハーモニーはとっても心地いいメロディが紡ぎだされています。

 

 さてお話ですがニコルズの盛隆と音楽を辞めたきっかけ、その後を描いています。例えば『グレン・ミラー物語(1954/パラマウント)』では、どんな困難があっても音楽を続け自分の意志を貫くといった愛と勇気の物語ですが、この映画はちょっと違う。

家族と音楽を天秤にかけて、家族をとったのがニコルズだったのです。

 娘を寄宿舎に入れることを決断したのはニコルズ。家族や音楽から離れたくない、そして大の親友だった父親から寄宿舎の決断を伝えられた女の子はずっと不信感を持ち続けてしまいます。

 そして重いポリオにかかってしまったとき、意識を取り戻して話したい相手に選んだのは「ママだけ」だった。娘の意識の回復を誰よりも喜んだお父さんは拒絶されてしまったのです。

 そして選んだのは音楽を棄てること。以来音楽を断ち切り工場夫として働くのです。

 つまり音楽を辞めたのは、娘を愛するがためだったのです。もちろん本人は」そんなことも知らずに、前に書いたあの発言。ショックだったでしょうね。ただ、ニコルズ自体も、その過去を出すわけでもなく、父親として暮らしてきたその自負はあったのだと思います。

 いずれ娘もそのいきさつを知るようになり、父親に音楽の復活を望むようになります。そして始まったカムバック公演。お客はもちろんまばら。ですが、彼にとってはうれしいことが待ち受けているサプライズ公演だったのです。

 

 何が起こるか、名作でご存知の方も多いと思うので書いてもいいとは思うのですが今回はあえて書かないでおいておきましょうか。娘と旧友といったとこでしょうか。

 

 ニコルズはやりたかったのはもちろん音楽。自分の中では天職だったでしょう。人生は時に、これぞ自分のライフワーク!といったものをいとも簡単に奪い去ってしまいます。しかし、その中で自分がいかに新しい人生を見つけるか。何ができるのか。決断を迫られたニコルズの精神力は相当なものでしょう。

 自分のかつての仲間は自分のバンドをもって有名になっているのですから。そして彼らの音楽がラジオで当たり前に流れてくるので、耳にせざるを得ないのですから。ただ唯一、レコードは全部周りからはないことにしていた。自分自身に対しての抵抗だったんでしょう。

 

 そんなニコルズの演奏を聴くことができます。それはなんとこの映画。ダニー・ケイの楽器の吹き替えは本人がやっているのです。これは聴きどころですよね。そしてケイの歌、ルイの歌。いうことなしの贅沢なミュージカル映画になっています。

 

今回の視聴は日本語吹き替え版でした。残念ながら未ソフトなので、入手はできないのですが、羽佐間道夫が吹き替えた1970年旧東京十二チャンネル放送版です。

 声はとっても若いのですが、字幕よりも味があるかもしれないですね。田舎から出てきたお上りさん状態のニコルズが方言交じりでしゃべるシーンなんかはのちにピーター・セラーズのフィックスになる羽佐間節炸裂といったところ。

 さらにはルイ・アームストロングの声を当てたのが相模太郎。浪曲師でもある彼のだみ声がまるでルイが日本語をしゃべっているような自然さで耳に入ってきました。

 素材はあるのですが、残念ながらパラマウントさんは、日本のテレビ吹き替えの採用には消極的なようで、この映画もこの羽佐間版の吹き替えは発売されたことがありません。この名吹き替えをいつか発売してほしいと願うのみ。

 

 もちろん字幕版は普通にDVDで発売されいますので、古き良きアメリカ。ご覧になってみてください。

ウォーム・ボディーズ

久しぶりの映画レビュー投稿。は、スターバックスでユースベリーというさわやかなお茶を飲みながら、ゾンビの出てくる映画を・・・。

といってもホラーではなくどちらかと言えばヒューマンドラマ。それがウォーム・ボディーズ(2013/サミット)。

時代は何らかの理由で人類のほとんどがゾンビ化し、どこに行くともなくさまよい続けている。その一人は主人公ゾンビR。名前が思い出せないそうで、いかんせんゾンビだから。そんな彼がゾンビの習性のごとく人間の脳を食べるとその人の記憶がフラッシュバックしハイになるのだそうな。
そんな彼にはその人の恋愛風景が浮かんでいた。
一方、生き残った人間はシェルターを作って日々外界のパトをしながら物資を集めていた。そんな中の一人がジュリーという女性。
空港でさまよっているRが彼女を見つけてゾンビにおそわれそうになっている彼女を安全な場所にかくまう。人喰のはずのゾンビがですよ!
なんとジュリーは先に出てきた脳を食らった男の恋人だった。Rにはその記憶がまざまざと蘇り、守ったのです。
全く違う二人の間には当然隔たりはありましたが、徐々に心を開く(?)様になり、いい雰囲気になっていくのです。

さてその先は?はい。ハッピーエンドなんですが、この映画単純に人間とゾンビとの恋物語にとどまらず結構深いのです。
というのはまずその1。
「全く違う二人=人種の隔たり?」
これはよく比較されるのです。ここには人種だけでなく立場の違い、ともいえるでしょう。というのもこの物語、原作の小説(日本でもヒット)かのシェークスピア「ロミオとジュリエット」がベースになっているんだとか。

そしてその2。
「可能不可能に絶対はない」
この映画には大きく二つのストーリーがあります。ひとつはこの二人の物語。
もう一つは、ゾンビたちがいきる喜びとときめきを見いだすこと。そしてゾンビと生存者は相容れないとゾンビ「せん滅」を実行するグループも、ゾンビにも心があり、生者である証拠の現象を発見し、これまでの絶対敵対、理解不可能と思われていた固定観念を捨て、ゾンビとの共生の道を探り出す。ゾンビももう一度人間に近づくべくがんばってみようというお互いの変化がある。というもの。

もちろんなぜゾンビがしゃべる?ゾンビがときめく?生き残った人間は元凶のウイルスに感染しない?ゾンビが希望と誇りを持つの?などつっこみどころは満載です。が、人間同士の間では軋轢しか生まれない様々なテーマをゾンビという非日常的な世界に持ち込み、最後はほっこりしてしまうという優作にまとめ上げたこの作品。なかなかユニークな映画でした。
若干少女マンガチックでもありますが、そのへんはご愛敬。このたぐいの映画はどうしてもねえ、しょうがないんですね。
実際多くの若い女性がこの映画でR君にキュンとしたらしいですよ。

さて最後にもう一つ見どころ、というか聴きどころ。挿入歌が最高にいい!このR君。ゾンビなのにレコードは「音が繊細」なんて愛聴しているんです。というのもあって古くはロイ・オービソンからガンズやスプリングスティーンまで、数々の名曲が死者の陰鬱な世界と対照的に明るい未来を彩ってくれています。洋楽ファンにも見てほしいウォーム・ボディーズ。
何となく見たんですが面白かったですねー。

まもなくアカデミー賞

がはじまります。

毎年当たらない自分予想です。

今年ははっきり言って方向性がつかめないというのが正直なところ。
去年は「真っ白なアカデミー」といわれ、白人以外にも受賞を。司会者にも白人以外をとキャンペーンが張られました。今年は平等にノミネートしますと発表されました。
ただ、昨今の賞は人種至上主義で選ばれているわけではなく、仕事に対する業績で選ばれるので、いい俳優には人種関係なく受賞すると思っていますし、映画から選出されるというのはそうあるべきだと思い。それが平等なのではないかと思っています。

さて、今年は「ラ・ラ・ランド」「ハクソー・リッジ」がどうなるかが注目。圧倒的なノミネートはラ・ラ・ランド。
注目はメリル・ストリープの主演女優賞受賞なるか?
日本勢からはレッドタートルはどうなる?(難しいと思うけど)
1月以降の国勢情勢がどうスピーチに反映されるのか。外国語映画賞に影響するのか。

といったところでしょうか。

では勝手に予想。

作品賞 ラ・ラ・ランド
監督賞
主演男優賞 ケイシー・アフレック
主演女優賞 エマ・ストーン
助演男優賞 デヴ・パデル
助演女優賞 オクタヴィア・スペンサー
撮影賞 ラ・ラ・ランド
脚本賞 ラ・ラ・ランド
脚色賞 Hidden Figures(原題)
主題歌賞 ラ・ラ・ランド
作曲賞 ラ・ラ・ランド
音響効果賞 ハクソー・リッジ
メーキャップ賞 スーサイド・スクワッド
視覚効果賞 ジャングル・ブック
美術賞
長編アニメーション賞 ズートピア

作品と監督はもしかしたらハクソー・リッジが食い込むかもしれないのです。メル・ギブソンが10年ぶりにアカデミーに返り咲くのか。ただ沖縄戦が舞台なのでこれをアカデミー会員がどう観たのかが鍵を握るでしょう。

今まで以上に政権に対するコメントが多そうな気もしますが、まずは華やかなアカデミーナイトを楽しみたいです。

間もなくWOWOWで生放送。
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