年末のお休みを使い、以前から行きたい映画館『メトロ劇場』に行ってきました。
（久しぶりの更新になってすみません。）
遠出の映画館に向かうときは、青春18きっぷか高速バスを使うことを常としているのですが、値段を比較してみると
青春18きっぷ12,050円（5日間使用）、高速バス14,000円（片道）ということで迷わずJR青春18きっぷを使うことに
新百合ヶ丘を5：20発の電車に乗り、小田急線、JR在来線（一部特急を利用）して福井駅到着は14:29
福井県勝山市はたくさんの恐竜化石が発掘されたことから、恐竜王国呼ばれているそうです。平成元年には福井県で初めて発掘された恐竜もあり、「フクイサウルス」と名付けられました。駅前には恐竜広場と呼ばれているスペースがあって、3体の恐竜オブジェ動くんです。
地表には残雪がありますが、この日は12月としては暖かく10度を超えて過ごしやすい気温です。
福井駅は来年3月に金沢で止まっていた北陸新幹線が延長され新幹線停車駅となります。駅の中は新幹線用改札が完成しており、あとは開業を待つだけのようです。
駅前は高層ビルも建設中で、開発が盛んです。
メトロ劇場は、JR福井駅西口から徒歩7分。
開業は1953年で今年70年目を迎えた老舗映画館。当初木造2階建ての劇場を1971年現在のメトロ会館に建て変えたました。
映画館は４Fにあります。
今の館主さんは、4代目の方で東京で働きながら劇場経営を行っているというから驚きです。
福井駅にはもう一軒「テアトルサンク」というシネコンがあるのですが、主にミニシアター系の作品を扱っているのでかぶることはないようです。すぐ横に「福井シネマ」という複合映画館があったのですが、5年前に営業終了しており、現在は駐車場になってました。
エレベーターに乗って４Fへ行くと、目の前には受付カウンター。
鑑賞作品を告げて一般料金1,800円を支払うと、「メトロシネマカードお持ちですか？」
この映画館は、お客さんにメトロシネマカードをお配りして、1回鑑賞でスタンプ押印。6個たまると招待券をプレゼントしています。
あと嬉しかったのが、入場券が昔の切符のような硬券であったこと。これは、70周年を記念して今年の9月から使われています。コストもかかると思いますが、映画鑑賞の記念になります。入場券に押せるサイズの来場記念スタンプも別テーブルに置かれてました。（押そうと思って忘れてた．．．。）
ロビーのテーブルには、お客さんの鑑賞の声を記入できるメトロシネマノートが2冊置いてありました。表紙を見ると1982年から続けているんですね。しっかりとした感想を書かれている方が多く、ファン層を持っていると思いました。
今年2月お亡くなりになった、映画評論家山根貞夫さんの朝日新聞連載記事もファイリングされてました。
この日上映していた映画は5作品で、００７もレストア作品として上映してました。
壁に〝お気に入りのボンドは？” の投票があり、私もショーン・コネリーにシールを貼ってきました。
投票にショーン・コネリーが多いということは、私を含めオールドファンが多いということでしょうか。
この映画館の壁には多数の記事が貼って合って、映画ファンを飽きさせない工夫がたくさんあります。
シアター入口扉の上には、多数のサインが飾られてます。
入場のアナウンスはなかったのですが、上映開始の10分前から入場できると毎月発行しているメトロ劇場12月号映画情報に書いてありました。
タイトな上映スケジュールの為か、入場時からずっと予告編が流れてました。
昭和の映画館ですね。
メトロ劇場は、1スクリーン116席の自由席。スクリーンは舞台になっております。
北陸の映画館だけあって、前後には大きなオイルヒーターが場内を温めており寒さ対策バッチリです。
前の2列はペアシートになってます。
荷物を置いたりゆったり座るのに快適なスペースなので、こちらで鑑賞することに。他のお客さんも考えることは一緒で、ペアシート2列目はすべて埋まりました。
トイレは、劇場内スクリーン左後方の扉から入ります。
この映画館は、今でもフィルム上映を行ってます。メトロ劇場のXを見てたらこの日初回上映の「アメリ」はフィルム上映と書いてありました。
この日の鑑賞映画は、インドのアクション映画「パターン」平日の15時の上映の為10名くらいのお客さんでした。
スタッフの方の対応もよくて、久しぶりにいい映画館にきたなぁという余韻に浸れました。
例年に比べ仕事の忙しさもあって、見逃した映画も多数あったのですが今年の見た好きな映画を振り返ると
１．「パーフェクト・デイズ」
ここ数年の見た映画で一番好きな作品。レトロな東京下町の魅力をドイツ人のヴィム・ヴェンダースがなぜ描けるのだろう。「パリ、テキサス」以来の感動。ほとんどセリフを発しない役所広司の魅力も見どころ
２．「バビロン」
サイレントからトーキーに代わる時代の苦悩を軽快な音楽に載せて魅せる。マーゴット・ロビーがいい！
ちょっと長かったけど．．．。
３．「フェイブルマンズ」
スティーブン・スピルバーグの若き日の自伝。最後にジョン・フォード役ででてきたデビット・リンチのセリフが印象的。
４．「ザ・キラー」
デヴィッド・フィンチャー監督の暗い演出が好き（特にゲーム）なので観に行ったけど、期待に応えてくれた。
この監督に日の光は似合わない。
５．「セールスガールの考古学」
多分モンゴルの映画って初めて見たと思う。アダルトショップで働く女の子を題材にしたこんなコミカルな映画作れるんだ。
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」はなぜアカデミー作品賞を受賞したのか？良さが全くわからんです。
邦画はあまり見なかったのですが、「ちひろさん」が好きでした。
今年の嬉しい映画館のニュースは、火事で休館していた「小倉昭和館」が今月復活したこと。ちょうど今日の朝テレビでも紹介されてました。再開の作品は「ニュー・シネマ・パラダイス」。映画館が焼失するシーンがなぞられますね。
皆様来年もよいお年をお迎えください。
【メトロ劇場】
観賞日時：2023年12月28日 15：35
観賞映画：『PATHAAN パターン』
住所：福井県福井市順化1-2-14 メトロ会館４F
電話番号：058-264-7151
HP：
オープン：1953年4月1日
料金：一般 1800円（各種割引あり）
会員：あり
スクリーン：1
上映形態 ：ミニシアター系ロードショー
音響：SRD
座席数：116席