篠崎の私見評価:☆☆☆☆☆☆★

 

庵野監督作品「シン・エヴァンゲリオン」については酷評した篠崎ですが、「シン・ゴジラ」については高く評価しております。

この作品、おそらく観てない人はほとんどいないのではないかというぐらいメジャーな作品ではありますが…このコロナ禍という状況において、思わずこの映画で奮闘した政治家達がどうしても頭に過ってしまい「これはあくまでも理想でしかない」と思いつつも、「現政治家達も少しは見習って欲しい」という願いを込めて、レビューすることにしました。

 

この映画、ハリウッドで制作された「GODZILLA」や「GODZILLA キングオブモンスターズ」などと比較しても全体的に出来がいい!

ハリウッド版はせっかく渡辺謙が出ているのになぁんか…ちょっと茶番っぽい匂いがムンムンしてしまっています…。(たぶん日本の設定がまた「アメリカ映画特有の、誤解された日本」になっているせいもあるのかもだけど…。)

それに比べて、このシン・ゴジラはすご──くリアリティを感じさせます。

そして、徹頭徹尾「政府の対応」だけに着目した点も素晴らしい! 民間人の状況はあくまでも背景として描かれているだけで、中心として描かれているのは「こうした非常時に対して、政治家達がどう対応するのか」という点。これは今までそうそうなかった視点と言えるでしょう。

 

また、ゴジラが最初東京湾に現れた時、「想定外すぎる状況」に対して政府が困惑し、ダメダメな知識人達と無駄な話し合いをしたり、具体的な対策を考案出来ずにグダグダ感を引きずるところにはすっごくリアルさを感じます。まさしく「コロナ」という前代未聞のウイルスを前にした日本政府が「グダグダ」になる場面とかぶります。

 

ただ、「シン・ゴジラ」と「現代日本」を分けた大きな違いは、この想定外すぎる状況を前に斬新、かつ冷静な決断をすることができた優秀な政治家、矢口蘭堂(長谷川博己)のような人物がいたか否かの違いと言えます。

矢口がいなければ、おそらくゴジラはそのまま東京縦断して、もうもう日本沈没の勢いになっていたでしょうから。

たったひとりでもいい、想定外な事案を前に斬新な発想を思いつき、かつ冷静な判断ができる政治家がいるだけで、日本は救われると思います。今いないんなら、誰かそういう人が立候補してくれることを願う次第です。(若手諸君、期待しています!)

もちろん、この映画の中でゴジラと対峙出来たのは、矢口の周りに優秀な仲間達がいたからです。このチームワークがあってこそ!問題を乗り越えられたのだという描き方も観ていて爽快感があります。今の日本は…逆に「出る杭は打たれる」で…チームワークがあるのかどうかも疑問視です。(仮に矢口みたいな人がひとりだけ政治家としていたとしても、現代日本では叩かれて終わりかもですね…。それを支える仲間が必要不可欠です。)

 

ちょっとレビューから外れますが…

先日、日本人製造者のレベルは世界トップレベルなのに、日本を指揮するリーダーは三流という記事を読みました。

これ、実はもう20年以上前から言われていることで、哲学者であり社会学にも精通しているアメリカの学者ノーム・チョムスキーは20年以上前の著作で「日本は製造者として優れているが、世界のリーダーとして活躍することはできない」とスパッ!!と断言しています。

物議を醸した今年のオリンピック、パラリンピックに参加し感動して帰国した外国人選手が多くいる中で、評価されていたのは「コンビニのおにぎり」だったり「行き届いた食事」だったりボランティアの思いやりだったりと、製造業に位置する人達の「こまやかな心配り」だったりします。

かたや、日本のリーダー達は渋谷のコロナワクチン接種会場を見て「これは密ですね~。現場はもうちょっと考えて欲しいです」という他人事発言を放ちじゃぁてめぇが現場で指揮してみろや!とツッコミたくなる始末。

篠崎もつい最近まで医療従事者だったので、最初にコロナが発覚したダイヤモンド・プリンセス号に対する政治家達のグダグダ感、「オリンピック開催地」であるにも関わらず若者からワクチン接種をしなかった政府のバカさ加減(この点に関しては別途、批判記事を有料コンテンツで掲載しています)、色々なところで日本政府に対して「あかんわ、こら」と幻滅しています。

そもそも、先日菅首相が退陣の意思表明している時に小泉進次郎氏が放ったコメント「批判ばかりだったが、1年間でこんなに仕事をして結果を出した政権はない」って

 

ああ?!

一番仕事して結果だしとンのは医療従事者じゃい、なめとんのかいゴルァ!

 

とツッコミたくなりました。

しかも死にそうになって働いた看護師達が減給くらってる状況です! お前達政治家はどンだけ国民の税金で生きとるんじゃい、少しは看護師に分けたらどうだ!って言ってやりたい。

ちなみにですね。

フィリピンでは、コロナ禍の際に政治家達は「自分達は無給で仕事をします」といって給料の受け取りを拒否しました。

日本の政治家では考えられないことです。

 

…って、いかん。話が逸れまくりましたが…

今の日本政府には、残念ながら矢口のような熱い魂をもった政治家はいません

そして、ひとりの有能な政治家をフォローするようなチームワークがとれる政治家や官僚もいない

だからこそ…今はちょっと、シン・ゴジラを観る気になれません。

理想と現実のギャップに、心が折れてしまうので…。

 

しかし、若い世代で政治に興味がある方は「シン・ゴジラ」を観て「自分が新たに日本を立て直そう!」って視点で視聴して頂けると嬉しいです。

ぶっちゃけ、日本は問題が山積みです。

超高齢社会化に少子化どうしたって移民に頼らざるを得ないのにそれを拒否する頭の固い日本人(だいたい60代以上の人にそういう人が多いので、そういう人達が現役からいなくなったら変わるのかもですが)莫大な負債額(たぶんこれ、平気で税金にかけてくると思いますよ)。

苦しめられるのは、常に世界トップクラスの製造業の人達、いわゆる普通の生活をしている私達です三流の政治家や官僚が苦しむわけではない

すごく理不尽です。

 

日本は美しい自然や美しい言語(私は日本語が世界で一番美しく、かつ繊細な言語だと自負しています)、素晴らしい文化があるのに、第二次世界大戦の時みたいにアホな政治家(ってかこの時は陸軍がダメダメだったのですが)に翻弄されてダメになってほしくない…心底、そう願っています。

 

余談ですが、選挙のあり方を考えるなら「誰にも投票したくない」或いは「誰に政治家をやめてもらいたいか」「どの政党に問題があると思うか」を記載する欄を作るべきだと思います。そうでないと、いつまでも政治家達は自分達の欠点と向き合わないでしょうし、若い世代の人達もいつまでも選挙投票に行かないでしょう。選挙に参加しないのは「したくないから」ではなく「日本の政治家に魅力がないから」だということを、もっと日本政府は悟るべきです。野党もただの「野次馬」でとどまるのではなく、もっと日本を背負って立つぐらいの意気込みをもってもらいたいです!

 

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