人類滅亡の危機を救ったアベンジャーズの戦いから1年。
トニー・スタークはアイアンマンスーツのさらなる開発に没頭していた。
そんなある時、謎のテロリスト、マンダリンが動き出し、
その壮絶な攻撃の前にトニーは全てを失ってしまう・・・という話。
2作目が微妙だった反動もありますが、非常に面白かった!
まるでコメディ映画のようなチャラチャラした雰囲気の2作目と違い、
本作は1作目と同じくシリアスさとコミカルさのバランスがちゃんと取れていて、
一体どうなるのかと息をのんでしまうし、時々挟まれるギャグシーンでは笑ってしまいました。
本作でのトニー・スタークは、荒んでいます。
「アベンジャーズ」で宇宙からの脅威にさらされたこともあって、
未知の強大な存在から愛する者を守らねばならないという責任感に対する重圧のせいで、
不眠症になり、なんとヒーローなのにパニック障害に陥っちゃってます。
全能のトニーですが、繊細で人間臭い一面も魅力だと思いました。
私の親がパニック障害でもあるため、よりトニーに親近感が湧いちゃいました
テロリストのマンダリンに挑発されたトニーは逆上し、住所を敵に教えて宣戦布告しちゃいますが、
その浅はかな行為のせいで自宅を爆撃され、スーツを含めたすべてを失ってしまいます。
1作目と同じく、トニーがどん底の状態から這い上がる原点回帰的な展開に燃えました。
ちょっぴり「ダークナイト ライジング」を思い出しちゃいましたが。
自宅爆撃シーンはショッキングかつ燃えるシーンで、作中で一番好きです
全てを失ったトニーがスーツもなしに敵に追われながらうろうろする中盤は、
「アイアンマン」が主役の映画なのに肝心のアイアンマンが全く出てこないうえに、
ヒーロー映画らしい見せ場が中々出てこず、ちょっとやきもきしましたが、
後半はまさに怒涛のアクションシーンの連続で、息をするのも忘れそうになりました。
AIジャービスが操作するスーツたちを贅沢に使い捨てていくクライマックスが最高!
トニー役のロバート・ダウニーJrの演技は最高!三部作の中で一番いい演技だったと思います。
とにかくパニック障害の発作で呼吸困難になる演技がおかしいのなんの。
今まで以上に責任感を感じるようになったトニーがよりヒロイックに見えました
今作の悪役、マンダリンを演じたベン・キングスレーの演技も素晴らしい。
最初こそ、畏怖さえ覚えるほどのおそろしいテロリストに見えたのですが、
後半の豹変ぶりに思わず笑ってしまいました・・・なぜ笑ったかはネタバレだから言えませんが。
本作の2人目の悪役アルドリッチ・キリアンも、高慢で気取ったキャラクターがとてもよかった。
演じているガイ・ピアースは個人的に好きな俳優なんですが、ガイコツ顔がよく悪役に似合ってました。
強さと言い、かっこよさと言い、シリーズ最高の悪役だったと思います。
彼の動機が「Mr.インクレディブル」の悪役シンドロームを思い出させました
1作目の完成度には及ばないと感じましたが、それでも最高のアメコミ作品の一つです。
エンドロール後に「トニー・スタークは帰ってくる」と表示されたので、4作目も作られるんでしょうが、
これだけ完成度が高い作品の次作ともなると、製作陣にもプレッシャーになるんじゃないでしょうか。
※おまけ
ED後にある人物がカメオ出演してます・・・このシーンは劇場内でも笑いが起きてましたw
80/100点