マイル22 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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意表を突くラスト。獅子奮迅の重厚アクション!!

2019年1月18日公開
監督:ピーター・バ-グ
出演:マーク・ウォールバーグ
ローレン・コーハン 他

【賛否両論チェック】
賛:四方八方から次々に襲い来る敵を前に、主人公達が獅子奮迅の戦いを見せていく様に、思わず圧倒される。アクションもド迫力なほか、意外なラストも痛快。
否:主人公が際どい所を助かっていく展開は、まさにお約束といったところ。設定もやや荒唐無稽か。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン等多数あり
アクションシーン・・・メッチャあり
怖シーン・・・雰囲気は結構少しかも


 盗まれたセシウムの行方を知る証人を保護するため、大使館から空港までの22マイルを警護することになった、CIAの特殊部隊の戦いを描きます。主演はマーク・ウォールバーグ。

 始まりは、アメリカ国内でした。とある閑静な住宅街へ、1台の車がやって来ます。中から道に迷ったらしい1組の男女が降りてくると、近くの民家の呼び鈴を鳴らし、出てきた女に道を聞き始めますが、実はこの2人、CIAの秘密部隊「オーバーウォッチ」の隊員達。民家の周囲からも、リーダーのジェームズ・シルバ(マーク・ウォールバーグ)を始め、数名の隊員達が静かに接近しているのでした。その直後、本部にいる“ビショップ”(ジョン・マルコビッチ)の指示で、妻役のアリス・カー(ローレン・コーハン)が閃光弾を投げ込むと、中へと突入。やがて窓からもサム・ショウ(ロンダ・ラウジー)達が侵入すると、中にいた5人のロシア人を拘束します。オーバーウォッチの目的は、アメリカ国内で諜報活動を行っていたロシアのスパイから、情報を奪い返すことでしたが、壁の中の部屋に潜んでいたもう1人が発砲し、アリスが負傷。もう1人の隊員も隙を突かれ、銃殺されてしまうのでした。激しい銃撃戦の末にスパイ全員を射殺し、地元警察の到着を前に逃走する面々。裏庭まで逃げてきた家主のロシア人青年は、ライフルを構えるジェームズに対し、
「後悔するぞ。」
と意味深な言葉を残しますが、ジェームズは
「慣れっこだ。」
と告げると、引き金を引くのでした。

 それから16ヶ月後。舞台は東南アジア某国の、インドカー・シティという街へと移ります。当局の警備をかいくぐり、アメリカ大使館へと駆け込んできたその男、リー・ノアー(イコ・ウワイス)の対応に、大使館は追われていました。オーバーウォッチは既に召集されており、ジェームズやアリス達は大使館へ。この直前に、放射性爆弾の原料となるセシウム4キロが行方不明となっており、ノアーはその在りかを示す暗号化されたデータを所持していました。彼は自らのアメリカへの亡命を条件に、暗号を解除すると提示しますが、一方で当局も黙っておらず、早速身柄の引き渡しを要求してきます。大使館はこの要求を突っぱねると、独自に暗号の解読を進める一方で、ノアーのアメリカへの移送を計画するのでした。

 そこで出番となったのが、オーバーウォッチのジェームズ達。その計画は、輸送機が空港に着陸出来るわずかな時間を目標に、ノアーを大使館から空港までの22マイルに渡って護送するというものでした。しかし危機は目前に迫っており、大使館内で留置されていたノアーが、医師を装った2人組に襲撃されるという事件が発生。ノアーは高い身体能力を見せ、なんとか暗殺を免れましたが、ジェームズ達は早速彼を車に乗せると、2台に分乗して護送を開始します。しかしそれは同時に、どこから狙われるか分からない、孤立無援の戦いの始まりでもありました・・・。

 機密情報を持つ重要参考人を、大使館から空港まで護送するという、非常に危険な任務に就いた主人公達。前半はやや退屈な感はありますが、後半に進むにつれて、その孤立無援・四面楚歌のとてもスリリングな逃亡劇が繰り広げられ、息をするのも忘れるくらいハラハラさせられてしまいます。アクションもかなりド派手というか重厚で、主人公達の鬼気迫る戦いを、身をもって体感することが出来るようです。

 それに加えて、意外性のあるラストも圧巻です。
「おっと、そう来ましたか!!」
という感じなので、その辺りにも要注目です。

 ストーリーは結構ありがちで、なおかつ荒唐無稽なので、あまり現実味はないのが難点かも知れません。どちらかというとアクションを純粋に楽しみたい、そんな作品といえそうです。


【ワンチャン・ポイント】
※ロンダ・ラウジー・・・本作では男勝りの隊員、サム・ショウ役。総合格闘技出身の方で、最近の映画では「エクスペンダブルズ3」での紅一点や、「ワイルド・スピード SKY MISSION」でのボディーガード役等が有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>