幸せそうな人が幸せとは限らないし、不幸そうな人が不幸とも限らない。

 

トイレ清掃員平山の日常が淡々と繰り広げられるのみで、平日も休日もやる事は殆どルーティン化している。

しかしその中でもごく僅かな変化や違いがあり、平山と同じくそこにささやかな楽しみや喜びを味わう事が出来た。

その一方で代り映えしない日常の数々もいつかは変化したり終わりを迎える、そして世の中にはどんなに身近な人であっても見方が相容れないことがある事実を承知している節もあり、そうした諦観ぶりもまた日々の小さな喜びを際立たせている。

 

ただ全編に漂う現実味のなさは正直最後まで拭えなかった。

クッソ汚ねぇ都内の公衆トイレをちょいちょい見かけるので、劇中に出てくるトイレがどれもオシャレでキレイなのが、綺麗ごとに満ちたファンタジー感に拍車をかける。

そして清掃道具を蹴っ飛ばしても知らん顔して、迷子の子供を連れてきたのに礼の一つも言わない冷徹な仕草をみて「やっぱ東京の人間ってこうだよな」って安心するのは、我ながらどうかと思う。

 

あとニャースっぽい声の人がいるなぁと思ったら犬山イヌコだった。マジのニャースやんけ。