映画「グラインドハウス」内の偽予告をそのまま長編にするのではなく、偽予告の映画をリブートしたものが本作という捻った発想が凄い。

 

悪ふざけの塊みたいな偽予告から、よくぞここまでバランス良く真面目に作り込んだもんだと感心してしまった。

スラッシャー映画なので当然人はガンガン死ぬが、登場人物はだいたいチャラい奴かクズなので、ある意味安心して見ていられる。

また残酷描写も派手さ一辺倒ではなく、「手が血まみれでスマホが操作出来ない」といった楽しい小技が随所で見られるのも魅力の一つ。

 

話のきっかけとなる冒頭のブラックフライデーの大惨事も、限られた時間で惨事の経緯と全容をテンポよく説明しつつ、主要人物や取り巻く環境までざっくり把握出来たりと、何気にバランスが良い。

無料のワッフルメーカー目当てで客が暴徒化する様は「んなアホな」とツッコミたくなるが、例え対象がショボいものでも「無料」と言われると欲しくなってしまう心理は理解できる。で時間が経って熱が冷めると「何これ」って気持ちになるのよ。