シン・ゴジラのゴジラは「生き物としての得体の知れなさ、そもそも生き物なのかどうかもわからない不明さ」から生じる恐怖が強かったけど、こちらのゴジラは「生き物なのはわかるが、明確な殺意が感じられる」所に恐怖を感じたりと、恐怖の出処が全く違う印象。どちらが優れているかという話ではなく、どっちも怖い。

 

ゴジラは高層ビルがズラッと立ち並ぶ大都市で暴れるイメージが強かったため、高い建物があまり多くない開けた場所で暴れる姿はどこか新鮮で、銀座襲来時の徹底的な破壊描写は、魅せ方の上手さも相まって恐怖と感動でゾクゾクした。

また海での攻防戦も新鮮さがあり、特にゴジラが新生丸を泳いで追い詰めるシーンはシチュエーション・構図共に映画内で一番好きな場面かも。

 

主人公の敷島に責任や苦境といったプレッシャーを極限まで加え、その怒りをゴジラにぶっ込ませるストーリーの構成はちと強引な気はするが、終戦直後という状況と反戦の意思も上手い事盛り込んでて良い塩梅だと思う。

ただ説明的な台詞回しは悪い意味でいつもの邦画っぽく、正直そこに萎える事はあった。