しかしここまで無能なCIAは中々珍しいぞ。

 

「ニコラス・ケイジがニコラス・ケイジを演じる」という何じゃそりゃ? な映画で、過去出演作に関するネタが大量にぶち込まれている。

しかし全編ニコラス・ケイジへのリスペクトに溢れており、馬鹿にされている感や不快感は一切ない。むしろちょっと真面目さすら感じる位。

個人的に好きな「アダプテーション」とか「スパイダーマ:スパイダーバース」のように劇中一切触れられない作品もあるけど、まぁ代表作沢山あるから仕方ないわな、そこは。

 

むしろ印象に強く残るのは、ニック・ケイジの大ファンであるハビ(ペドロ・パスカル)との交流。

最初はスターとファンという関係だったのが、大名作「パディントン2」を観て共に泣いたり、クスリをキメてドライブしたりと、一緒の時間を過ごしていくうち徐々に心の内を曝け出せるズッ友になっていく過程は、アホかと思いつつ心温まる。

そしてそんな愛する二人が銃を突きつけつつ互いに純愛を叫ぶ姿に笑いと涙が。

 

劇中二人が構想を練る映画の内容と映画自体のストーリーの繋がりっぷりは、正直そこまで上手く作用しているように思えなかったけど、純愛やその他諸々を通してニック・ケイジが己を取り戻す姿は、こちらも何か励まされるようでグッと来たので良し。