多分一生分のキアヌの「Yeah...」を聞いた。

 

本編開始後即バトルだった前作「ジョン・ウィック:パラベラム」に比べると、最初のバトルが始まるまでちょっと長い。

確かに前作のラストから今回の話につなげるまでの繋ぎは必要だけど、もう少しスムーズに出来なかったのかというのが正直な所。
また日本人キャラ同士が会話している場面の英語・日本語の切り替わりが不自然で気になった。ずっと日本語か英語で会話していればいいのに、さほど重要でもない台詞で急に言語を切り替えるのが「どうして?」という感じ。まぁこの部分に関しては自分が日本人だから違和感を覚えただけかもしれないけど。
 
しかし一度バトルが始まれば些細な不満は一瞬で吹っ飛ぶので全く問題なし。
前々作「ジョン・ウィック:チャプター2」のショットガン→ハンドガンの即切り替えや、前作のショットガンリロード長回しといったグッと来る小技はない反面、前作終盤に出てきた防弾装備がデフォルトになったせいで銃撃戦は初っ端から壮絶になり、それに比例して肉弾戦やカーチェイスも熾烈なものになっている。一部バトルに物足りなさは残るものの、とにかくとんでもない熱量で押し切っていくスタイルがたまらん。
極めつけは最終幕で繰り広げられる3つのバトル。これが三者三様にどうかしてて笑うしかない。敵味方共にボッコボコになるわ、「どこのゲームだよ」と言いたくなる長回しがあるわ、人間版チーズ転がし祭りが繰り広げられるわと、どこを切っても過剰さしかなくて最高。
 
そしてアクション以外の側面も結構しっかりしている。
ちゃんとジョン・ウィックのストーリーとしてはケリをつけたし、何よりもう1人の主役とも言えるドニー・イェンが、アクション以外でいい味出してたのが意外。
アクションに関してはもう文句なしのキレっぷりで、「イップ・マン」+「導火線 FLASH POINT」なサービスシーンも魅せる程の余裕っぷりだけど、ドラマパートの哀愁や厭世観が今まで見た事ない雰囲気で、これがまた様になってる。
あとこの世界ではつくづく犬は強いなぁ、色んな意味で。