フィル・ティペット渾身の地獄絵図。

 

一応「孤高の戦士アサシンが荒廃した地下世界に潜る」というストーリーはあるものの、グロテスクなディストピアで蠢く多種多様なクリーチャーと、そこで繰り広げられる凄惨な何かをずーっと見せつけられる感じ。

そして今見ているものが何なのかを考えようとしても、劇中に台詞や説明がないため、ただただ凄まじい圧の映像の波に身を委ねるしかない有様。

しかし最後にはこの世界の仕組みが朧げながらわかったような気がしてきて、映像の強烈さも相まって爽快感や安堵感が味わえるのが何とも不思議。

 

ストップモーションアニメで繰り広げられる地獄絵図は、CG映像と全く異なる質量の重みや情報量があり、観ているだけでお腹一杯になってくる。

血や臓物はいっぱい出てくるし、痛々しい描写も山ほど見られるが、狂った世界観もあってかそれ程不快感はない。これもまた不思議。