中々のメシマズ映画。出てくる料理は殆ど食べ残しだし、そもそも元の料理もそんなに美味そうじゃないっていう。

 

「上層の人間は話を聞かず、下層の人間なぞ知るかボケ」な縦社会がまんま現実で、施設自体の無機質でどんよりとした雰囲気が嫌な気分に拍車をかける。

一応各層の人間がちょっとずつ食べれば全員飯が食べられるという仕組みだが、当然そんな簡単に上手くいかず、下層になればなるほど生存が極端に厳しくなる。そしてそんなグログロな地獄絵図を味わった後上層階に行った時は安堵感が凄まじいし、目の前のほぼ手付かずの食事をがっつく気持ちも良くわかる。そんな状態で「食べるのは少しだけにして、下層の人にも分けよう」なんて言われても馬鹿馬鹿しいとしか思えないが、実際本当に必要なのはそういう考えだよねと反省。しかしその理想実現の決め手が説得や相談ではなく恫喝や暴力という点もゲンナリする程現実的。と不穏で救いのない環境下で二重三重にゲンナリさせられるのが気持ち悪い位クセになる。

 

ただ前半と後半で話の方向が微妙にずれている気が。あととある場面で部分的にモザイクがかかったけど、なぜここだけ? という疑問も。