ネットフリックス配信作。

 

「ROSEBUD」ってそういう意味だったんすね…。

 

脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツが1941年公開の映画「市民ケーン」の脚本を仕上げるまでの物語。という事で映画「市民ケーン」そのものや、マンキーウィッツ以外の関連人物(オーソン・ウェルズやマリオン・デイヴィス、ウィリアム・ランドルフ・ハースト等)を知っている前提で物語が進んでいくため、事前に「市民ケーン」を観ておくか、Wikipediaを斜め読みしておいた方がいいかも。今ならAmazonプライム・ビデオで観られるし(2020年11月26日現在)。

 

デヴィッド・フィンチャー監督作は「ファイト・クラブ」や「ゴーン・ガール」のような皮肉っぽく冷笑的な見方が強いイメージだったので、そういった要素が皆無且つ直球過ぎる程直球なメッセージがあるのが意外。そして劇中ハーストや映画スタジオ重役といった裕福層の傲慢さや選挙活動で遺憾なく発揮する横暴をまざまざ見せつけられ、それに対してハーストに「市民ケーン」を叩きつけるハーマンの姿勢にフィンチャー自身の矜持を感じた。

またハーマン自身も正義感一辺倒という訳ではなく飄々とした所やダメな所もあり、お腹が見事な仕上がりのゲイリー・オールドマンのお陰でとても魅力的。

 

有名監督+有名俳優が出るとはいえ、どちらかと言うと地味目な内容のモノクロ映画にゴーサインを出すネットフリックスの度胸というか胆力は頼もしい。