まさかの展開にバンクシーも俺も苦笑い、いや実際バンクシーが苦笑いしたかはわからないけど。

 

前半はバンクシーを含む様々なグラフィティ・アーティストの活動、後半はそれらを撮影するうちに感化されていった男が「ミスター・ブレインウォッシュ」としてグラフィティ・アーティストデビューする様がメイン。こういうジャンルに疎かったので、アーティストによって様々なスタイルや表現方法があったり、普通にキンコーズを利用する姿に親しみを覚えたりと、前半の時点で新鮮さを感じる所は凄く多かった。

 

でも、やっぱり強烈なのは後半。色々なアーティストを追っているうちに感化されていくのは良く分かるけど、よりによって最初からお金儲けに突っ走っていく様はドン引き。劇中披露される彼の映像作品を「つまらん」と言い切ったり、「あいつには才能がない」という辛辣なバンクシーをよそに展開されるミスター・ブレインウォッシュ無双は、タチの悪いこち亀を見ている気分。清々しいほどの苦笑いと皮肉満載の楽しさがたまらん。