タイワ・ワイティティ監督だから「マイティ・ソー バトルロイヤル」とか「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」みたいなノリで観に行ったら想像以上にシビアでシニカルな内容で、その温度差にビックリ。でもよくよく考えてみたら「非常にキツイ状況下でも、笑いやジョークを駆使して少しずつ受け入れていき、最後は何とかする」という流れは似ているので、そういう作風なんだろう。

 

冒頭ビートルズの「抱きしめたい(ドイツ語版)」と群衆の映像を使って、当時ヒトラーがどれくらい熱狂的な人気があったかを何となく雰囲気でわからせる所とか、「ハイル、ヒトラー」連発する場面が笑える場面から急に笑えない場面に変わったり、靴とか靴ひもの使われ方とか要所要所の魅せ方が凄くグッとくるし、あくまで他人からメッセージを押し付けられる形ではなく、主人公ジョジョが何かと悩みながら少しずつ自分で気づいていく形になっているのも微笑ましい。何よりラストの解放感と少し切なさが入ったダンスシーンは色々来るものがあって胸がいっぱい。

 

 

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