最後デカプリオがアレを持ち出す一連の流れが完全にコントで最高。

 

「1960年代末、チャールズ・マンソン率いるカルト集団「マンソン・ファミリー」がシャロン・テートを殺害した」という前知識がないと最後まで訳が分からないまま終わると思う。ただその前知識があれば、終盤の怒涛の超展開+ラストのちょっとした切なさをバッチリ楽しめる。

 

「昔々あるところに」というお決まりのフレーズがタイトルになっている通り、純粋で天真爛漫なシャロン・テートをヒロインにした幸せなおとぎ話になっていて、極端な悪役も出てこず(マンソン・ファミリー関連は除く)、リックとクリフのいい塩梅にダラダラした日常、1969年の街並みや音楽からは陽気なファンタジー感すらある。そこに徐々に不穏な空気が立ち込めてくるが、それに対する決着のつけ方が最高に痛快。

 

 
ふてぶてしさと情けなさが両立するデカプリオと、アラフィフとは思えない筋肉美を披露する名兄貴ブラピのイチャイチャぶりは楽しいし、全編タランティーノ監督の好きなもののオンパレードなのも多幸感に拍車をかける。個人的にはダコタ・ファニングの女ボスが感慨深くて最高。

 

 

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