ちょっと、不倫の話をしてみようか

 

 

夫の不在中、私は夫の部屋をガサ入れすることにした。

 

急にでかけるなんて今まで1度もなかった。

動物たちを置いて行くなんて絶対になかった。

深夜の電話の人に呼び出されたんじゃないの?

 

そんなことを考えながら。

 

ガサ入れは初めて。

人のものを触るなんてダメなこと。だけど、、、

 

 

ホワイトニングの契約書が置いてあった。

ホワイトニング専門の、今どきのかわいい衛生士さんがたくさんいるようなところ。

最近の出会いならばそこもありえる?

とりあえずスマホで写真を撮っておく。

 

にしても10万円近い契約!!おかしいだろ、ボッタクリか?

かわいいおねーさんの言いなりか?

 

年度末まで努めていたX支店からの送別のメッセージが書かれた色紙。

とても信頼されていた様子。

部下たちの感謝の言葉の数々。

一応写真を撮っておく。

 

 

次に会社のカバン。

カバンのポケットになにかある。

 

 

「え、、、」

声が出た。

そこにあったのはホテルの領収書。

その日付は、例の2ヶ月前の朝帰りの日。

 

あの日は隣のZ県にあるX支店の最終日で、Z県で上司①と上司②と飲んでいると言っていた。

終電がなくなる頃にきたLINEでは、カラオケに誘われて、タクシー代だすからと言われ断れず仕方なく行ってくる、と書いてあった。

 

深夜3時のLINEでは、上司②が潰れて①は先に帰ってしまった、最悪。と。

翌朝6時、まじついてねーわなんなのこれ、とLINEがきた。

 

帰ってきたのが朝8時過ぎで、上司②をZ県のX支店で朝まで介抱した。朝になり上司②をZ県にある②の自宅最寄り駅まで送って帰ってきた。

と愚痴とともに話してくれた。

 

大変だったね、最悪じゃーんと私は心から同情し、熱いお風呂を用意してあげたのだ。

 

ホテルの領収書、その住所は、、

Z県じゃない。おもいっきり私達の住む県。

利用者、2名。

チェックインの時間、深夜0時頃。

 

どゆこと?カラオケは?Z県に朝までいたんじゃないの?

 

血の気が引くのが自分でもわかった。

指がとても冷たいのに対し、頭は熱く顔も火照っている。

 

他に、ないかな、、、

レシートがでてきた。

 

同じ日付の居酒屋のレシート。

ホテルがある駅と同じ駅。つまりこちら側の県。

利用者、、、2名。

 

かわいらしいカクテルや、アボカドとかクリームチーズとか普段夫が頼まないもの、

そしてかなりの量のお酒が表示されている。

夫はお酒をずいぶん前からやめている。

 

膝がぐらぐらした。

吐きそうになったけど、ぐっとこらえてそれらの写真をとった。

 

クロチワワ黒が心配そうに見ていた。