この一年間の国内のトレーニングシーンの傾向をみると、ViPRやTRXなどのいわゆるファンクショナルトレーニングと呼ばれる類いのものが注目を集めたと言えるだろう。また、木場トレーナーの体幹トレーニングなどが一般の方に注目されるなどもトピックだったと考えられる。
この5年間国内外においてファンクショナルというテーマでトレーニングが動いていた感があるが、実際にやっていることと言えばダンベルの代わりに長い筒を使ったり、つり輪を使ったり、対角螺旋の動きをしてみたりプランクをしてみたりと、目先を変えただけのようにも思える。
単に重量物を上げ下げするトレーニングから、脊柱がフリーな状態で行うもの、体幹と四肢の協調性に重きを置いたトレーニングへと移行した点では「以前よりファンクショナル」なのかも知れないが、本当にファンクショナルなトレーニングなのかはまだ突き詰める余地があるのではないだろうか。
fMRIやPETにより明らかになってきている脳と運動の関わりから考えても、
体育学やトレーニング科学、心理学のみで運動巧緻性の向上は語れなくなってきている。
こうしたことからも、より「何を」「どうやって」「どう」動く、または動かすかに重点を置いたトレーニング、まさに動きの認知を改善するようなトレーニングが今後より注目されると考えられる。
そういう点では、同じ動きを10~20レップ繰り返すblock exerciseではなく、ターキッシュゲットアップのようなflowing exerciseの要素を持つトレーニング手法が主流となることが予想される。これはSFMAのAdvanceでも語られていた。
また、トレーニングがよりファンクショナルを目指すのなら、リハビリテーションと競合していくことは避けられなくなるだろう。リハビリテーション専門職はトレーニング科学に精通する必要があるし、トレーニング専門職はリハビリテーション医学に精通する必要性に迫られるということが想像できる。
トレーニング専門職は、リハビリテーション専門職と違い現状誰でも名乗ればなれるという最悪な状況だが、今後は医学的なバックグラウンドを持つ専門職達と競合する可能性を踏まえそのバックグラウンドの作り方を考える必要があるだろう。
この数年、加圧トレーニングのように圧倒的変革をトレーニングシーンにもたらす出来事はおきていないように感じるが、トレーニング専門職以外の立場からトレーニングが捉えられることが多くなっているという事を考えると、周辺領域の高度な知識習得が今後のサバイバルに必要なのではないだろうか。
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