ある人がいました。
彼は一生をかけて「医師であること」に価値を置き、
それ以外の自分の生き方をほとんど考えることなく過ごしました。
その根には、医師であった父の影響が強くありました。
父の背中を追うことが、唯一の正しい道だと信じて疑わなかったのです。
やがて、喉頭がんを早期で見つけ、治療によって声も仕事も失わずに済みました。
けれど放射線の影響で、甲状腺の機能は少しずつ低下しました。
スピリチュアルでは、甲状腺は「自分の真実を語る場所」とされます。
長く言いたいことを抑え、葛藤を抱えたまま何も変えられなかった無力感は、この場所を静かに蝕みます。
さらに彼は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を抱えることになりました。
呼吸は「生きる意欲」「人生を取り込む力」と深く結びついています。
新しい空気=新しい経験を入れることを拒むと、肺は次第に硬くなり、息苦しさとなって現れます。
そして晩年、認知症が進みました。
認知症は、これまで抱えてきた重い記憶や現実との接触をゆるめ、意識の焦点を手放す現象でもあります。
長年の無力感や葛藤を、心と体が「もう持ちきれない」と判断した結果なのかもしれません。
振り返れば、甲状腺、肺、脳…異なる場所に見えるこれらの病も、
根っこは一つのテーマで繋がっていました。
――「本当の自分を生きることができなかった」というテーマです。
病気はただの不運や罰ではなく、時に体からのメッセージです。
あなたの体は、今、どんな声を届けていますか?
それに耳を傾けることは、人生をもう一度選び直すきっかけになるかもしれません。