ニトラム | 映画の素

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映画についての独り言、自分の素(もと)、在りのままに感じたことを書き綴るブログです。

2021年のオーストラリア映画を鑑賞しました。


先週に引き続き、後味の悪い映画でしたが、こちらはまだ理解できました。


1996年、オーストラリアのタスマニア島で起きた、無差別銃乱射による大量殺人事件を題材にした映画です。


主人公は知的障害を持った青年で、幼少期に花火で遊んで、負傷、入院した際のインタビュー映像からスタートします。


青年になっても懲りずに花火で遊ぶ主人公に、近隣住民からはクレーム、両親はその扱いに頭を悩ませることに。


地元の小学生に爆竹与えて遊ぶなど、親の目が離せない状態が続き、次第に孤立。


何もかもが上手くいかず、たまたま知り合った隣人の家に居候、やがて親元を離れながらも、苛立ちを募らせ、最後は無許可で銃を入手することに。


自らの意思で、綿密な計画、訓練を積み重ね、やがて、世界を驚かせる悲劇に繋がっていくことに。


この映画は「ポートアーサー事件」と呼ばれる実話が元になっています。


わずか20秒で死者20人、重軽傷者12人、最終的には死者35人、重軽傷者15人と、痛ましい事件となりました。


殺人者となった二トラムは、死刑制度のないオーストラリアで終身刑となりました。


途中自殺を試みたものの、未遂に終わり、今も服役中となっています。


因みに、タイトルの「ニトラム」は主人公の名前である、”MARTIN”を逆さ読みしたもので、「シラミ野郎」という蔑称の意味も。


銃社会でない日本には馴染みがありませんが、些細なことが積み重なって、本人にとっては大きなきっかけになってしまうと思うと、普段から気をつけないといけない思いにかられました。