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あやまんJAPANとももいろクローバーは甲乙つけがたいですね。
まあるです。どうも。
皆さんの中で誤解があってはいけないと思い、予告をガン無視してこの記事を書くことにしました。
確定的影響と確率的影響についてです。
先日の記事で放射線の影響には「急性影響」と「晩発性影響」と「遺伝的影響」の3つが考えられると書きました。
このうち、急性影響(脱毛/血液細胞数の減少/皮下出血/吐き気および嘔吐)ははっきりと「ありえません」と書きました。
しかし、晩発性影響に関しては面倒くさい計算をして死亡率に換算して結果を示しました。
なぜ、こんな風に表現方法が違ったのか、放射線がどんな風に人体に影響してくるのかを理解してもらえればと思います。
まず、脱毛・血液細胞数の減少・皮下出血・吐き気・嘔吐などの症状が現れる急性影響は確定的影響というものです。
・確定的影響とは
確定的影響は落としたリンゴみたいなものと表現できます。
例えば地上50m(メートル)のビルの屋上からリンゴを落としたらどうなるでしょう。
当然、リンゴは潰れます。
1000個落としたら1000個とも潰れます。
では、地上2.5m(部屋の天井くらいの高さ)ではどうでしょうか。
落としたリンゴのうち半分は潰れてしまうかもしれません。
残りの半分も無事では済まず、凹んだり傷ついたりするでしょう。
地上1m(腰くらいの高さ)では潰れるリンゴは無くなり、多くのリンゴは無傷で、一部は凹むでしょう。
しかし、2.5mから落としたときよりは凹みが少なくて済みます。
それでは地上100mm(=10cm)ではどうでしょうか。
この場合、リンゴは凹みもせず無傷なままです。
1000個落としたら1000個とも無傷です。
このように確定的影響とは原因(落とす高さ)に対する結果(リンゴの状態)がある程度確定的である現象のことを指します。
50mから落としたリンゴが無傷であるはずはなく、逆に、100mmから落としたリンゴが砕け散ることもありません。
50mから100mmの間は高さに応じて段階的に影響が少なくなっていき、100mm以下では「影響がない」となります。
放射線による急性影響はこのリンゴの例と同じような形で人間に影響を与えます。
リンゴの例の「落とす高さ」を放射線量、「リンゴの状態」を人体への影響として置き換えられます。
短時間で50Sv(=50,000mSv)の放射線を浴びた場合、人は死亡します。
1000人浴びたら1000人がもれなく死亡します。
50mの高さから落としたリンゴが助からないのと同じです。
では、2.5Svではどうでしょうか。
研究結果ではこの2.5Svが生きるか死ぬかの五分五分のラインだとされています。(※1)
半分の人は60日以内に死亡し、半分の人は60日のうちに回復に向かいます。
しかし、後遺症等は残る可能性があります。
1Svでは吐き気を感じたり嘔吐したりといった症状が一部の人に見られます。
また、一時的に白血球数が減りますが、死亡に至る事はまずなく後遺症もなく回復するでしょう。
0.1Sv(100mSv)では100mmの高さから落としたリンゴと同様に無傷です。(※2)
後遺症どころか吐き気を催すことすらありません。
では、今現状はこのうちのどこに位置するのか。
現状では比較的放射線の多い地域でも0.1Sv(100mSv)を浴びるのに1年くらいかかります。
これは、100mm(=10cm)の高さにあるリンゴを1年かかって床にゆっっっくり置くようなもので、この落下(?)によってリンゴが傷つくことはないですよね?
また、現在20μSv/hの地域の3月15日時点の放射線量を逆算(※3)すると200μSv/h弱です。
10時間ずっと屋外にいても2mSv、100時間いても20mSv程度です。
つまり、20mm(=2cm)の高さからリンゴを落としたようなものです。
100mmから落としても傷つかないリンゴは20mmで傷つくはずがないのです。
放射線で言うと、人は100mSvを浴びても吐き気すら感じないので20mSvではなんら影響はありません。
死んだり体調を崩すには程遠い値だとご理解いただけるでしょうか?
今、20μSv/hの地域でこの程度です。
皆さんの地域は今どのくらいですか?1μSv/h?0.1μSv/h?
それだと8月15日当時、100時間でも1mSvと0.1mSv程度です。
1mmと0.1mmの高さから落としたリンゴは、、、、もういいですね。
もしも、3月15日に「私は吐き気がした!!頭痛もした!」と言う方がいらっしゃったら、それは読んで字のごとく「気のせい」です。
ご存知のように、人間は気の持ちようで大きく体調が変化します。
吐き気と頭痛が前日の飲み会でハメを外したせいでなければ、それは「放射能怖い!」「地震怖い!」という不安から来る「気のせい」による体調不良でしょう。
この「気のせい」は馬鹿にできるものでもなく、結構怖いことなんです。ホント。
さて、このように、放射線量の少ない現状では全く怯える必要のない「急性影響」ですが、裏を返せば10Svを浴びるようなことがあれば間違いなく死ねる恐ろしいものでもあります。
ですので、再三書いておりますが、原発が再臨界して格納容器が爆発し、超超大量(今までに放出された分の数百倍)の放射性物質がばら撒かれるようなことがあれば一目散に原発から離れましょう。
一時的でもいいので、風上に避難しましょう。
原発内で復旧作業に当たっている人は高濃度水の中にダイブしないように気をつけてください、、、としか言いようがありません。
まぁ、守られてるかは知らないけど一応年間250mSv?程度の規制があるらしいし、事故のときに高濃度放射線を浴びた人はいなかったらしいので急性影響で死ぬ人は出なそうですね。
相変わらず長い記事です。
読むの大変ですよね。書くのはもっと大変です。がんばれ自分。ふぁいとっ!
後半は確率的影響についてです。
研究の成果によって、晩成影響のうちの発ガンや白血病(血液のガン)の罹患に関しては確率として我々に影響を与えるということがわかっています。
・確率的影響とは
こいつはちょっとわかりづらいかもしれませんが、頭の体操だと思って読んでください。
確率といえばサイコロです。
Aグループの10万人の人たちはサイコロ1個を1回だけ振ります。
「1の目」が出たら「アタリ」だとします。
「アタリ」が出る確率は1/6=16.667%です。(※4)
10万人が同時にサイコロを振ったら大体16,667人くらいの人が「アタリ」を出します。
絶対に間違いなく確実に6人に1人が「アタリ」を出すわけではないので、実際には16,500人かもしれませんし、17,000人かもしれませんが、大体16,667人くらいです。
Bグループの10万人の人たちはサイコロ2個を1回だけ振ります。
二個とも「1のゾロ目」が出たら「アタリ」とします。
「アタリ」が出る確率は1/(6×6)=1/36=2.778%です。
10万人が同時にサイコロを振ったら大体2,778人くらいの人が「アタリ」を出します。
絶対に間違いなく確実に36人に1人が「アタリ」を出すわけではないので、実際には2,500人かもしれませんし、3,000人かもしれませんが、大体2,778人くらいです。
さて、アタリを出したければAグループに入ったほうがお得です。間違いなく。
10万人という規模で見ればお得感がよくわかります。
しかし、1人だけで見た場合、Aグループでもハズレる人もいますし、Bグループでアタる人もいるのです。
元々AグループにいようがBグループにいようが、結果としてアタリはアタリ、ハズレはハズレです。
これが、確率的影響の特徴の一つです。
これを放射線による発がんに置き換えてみましょう。
1Sv(=1,000mSv)の放射線を浴びた10万人がいます。
以後40年間で「放射線の影響によって発がん」する確率はざっくり計算で8.6%です。(前記事参照)
10万人が被爆したら以後40年間で大体8,600人くらいの人が「放射線の影響によって発がん」します。
正確に8.6%の人が「放射線の影響によって発がん」するわけではないので、実際には10,000人かもしれませんし、5,000人かもしれませんが、大体8,600人くらいです。
100mSvの放射線を浴びた10万人がいます。
以後40年間で「放射線の影響によって発がん」する確率はざっくり計算で0.86%です。
10万人が被爆したら以後40年間で大体860人くらいの人が「放射線の影響によって発がん」します。
正確に0.86%の人が「放射線の影響によって発がん」するわけではないので、実際には1,500人かもしれませんし、400人かもしれませんが、大体860人くらいです。
さて、この場合もサイコロと同じことが言えます。
当然、1Svよりは100mSvのほうが発がんする確率が低いのでお得であることに違いはありません。
しかし、1Sv浴びたからといって「確実に」発がんするわけではなく、10万人中91,400人くらいは放射線によっては発がんせずに生きていくわけです。
逆に、100mSvでも10万人中850人くらいは運悪く放射線が原因で発がんしちゃいます。
上の確定的影響では放射線量に応じて症状が軽くなっていきました。
確率的影響である発がんに関してはがんに罹る確率が変動するわけで、結果として発がん「するか」「しないか」のどちらかです。
自分は10万人の内の1人ですので、1Sv浴びて発がんしなきゃ「ラッキー!」ってなもんで、100mSvで発がんしたら「残念賞」です。
では、現状はどの程度なのでしょうか。
現在20μSv/h・・・の地点にいた人は既に避難してると思いますので、ついこの間避難指示が出た3.6μSv/hで計算してみます。
3.6μSv/hの地点にいる人の今(7月6日)までの外部被ばく線量は概算で8.6mSv程度です。(※5)
確率は、ざっくり言って0.074%くらい。
大体、4個のサイコロを1回振って「1のゾロ目」が出るくらいの確率(=0.077%)です。
まぁ、、、4個のサイコロを買って試してみてください。
一回振っただけで「1のゾロ目」が出た人はもれなく褒めて差し上げます。
2とか3のゾロ目じゃだめよ。
世の中ではやれ年間1mSvだ20mSvだと「規制値」を設けようとしておりますが、当然これは放射線による発がんを懸念しての話です。
で、この規制値っつーのは「どのくらいの影響を無視しようか?」という話です。
「全く影響が無い=リスク0%」というのは理屈の上では無理な話なのです。
特に100mSv以下の低放射線量においては影響がどの程度あるのかという「予測」はあっても「証拠」が無いし、「この程度なら無視していいんじゃね?」って程度がみんな違うので、やれ年間1mSvだ20mSvだという話になってしまうのです。
100mSv以下では「統計的に有意な差が見られない」となっています。
なぜなら、対象が人間なので、タバコを吸ったり、酒を飲んだり、太陽光を浴びたりと、人によって生活がさまざまなので、放射線を浴びていない10万人よりも50mSvを浴びた10万人のほうが発がん率が低くなるケースもあるわけです。
当然、放射線を浴びない人たちは放射線を浴びてしまった人たちと生活環境が近い人たちを選ぶわけですが、サイコロの1の目が6回に1回確実に出ないのと同じで、こと発がんにおいては大きなバラツキがでます。
100mSv以下ではそれだけ放射線の影響が小さく、また、生活習慣の影響が圧倒的に大きいということになります。
規制値以下だからリスクはゼロだ!では無く、生きるうえでの他のリスクに比べて十分小さいリスクだから無視しちゃっていいんじゃね?って話です。
「わずかなリスクを無視する」というのは、今まで気にしたことの無い人には怖いことかもしれません。
しかし、例えば、ほんのわずかな発がん性がある焼肉の焦げを過剰に避けてユッケを食べると食中毒になる可能性があるわけです。
であれば、わずかな発がん性は無視して「焼肉の焦げはあんまり食べないように気をつけよう」くらいの判断で良いのではないでしょうか?
当然、カリカリに焼いた焼肉が好きなら食べればいいし、ユッケが好きなら食べればいい。
そんな風に今までも小さなリスクを無視して来ているんですよね。
国の基準値は国が勝手に決めたことでどうぞ勝手にしてくださいとしか私は思わないわけです。
もし、皆さんの中で「自分用基準値を決めたい!けど、どのくらいにしていいかパッと思い浮かばない」という方がいれば「タバコを1日に1~15本吸う人の発がん率は2Sv(=2,000mSv)とほぼ同じ」という部分を参考にしてください。(参考資料:UNSCEAR 2008 Report: "Sources and effects of ionizing radiation"Volume I Page141 Annex A Table 1)
さて、最後に少し脱線してしまいましたが、このように「急性影響」と「晩成影響の主である発がん」への影響の仕方はそれぞれ違います。
それぞれの特性を理解することで、放射線やリスクというものへの正しい理解を深めていただければ幸いです。
また、「なぜ急性影響は確定的影響で発がんは確率的影響なのか」ということなど、リンク先の情報をご自身で確認してより深い理解に役立ててください。
※1 医療設備が満足にない状況では大体2.5Svの被爆で半分の人が死にます。
十分に医療が整っている場合は大体5Svまで引き上げられます。
これは、リンゴの落ちる場所にクッションが敷いてあるようなものと考えられます。
参考資料:放射線による急性死亡
※2 実際は放射線によって細胞や染色体が傷つけられることが考えられますが、人間の持つ回復力の範疇であり、自覚もなく、損傷も残りません。
例えば、タオルで皮膚をこすると表皮が傷つくわけですが、これは傷とも怪我とも言いません。
※3 逆算には福島県内の3~5月の放射線量推移から放射線核種割合の近似モデルを作成し、指数関数による計算を行いました。
・total-radiation_v1.00.ods
※4 厳密に言うとサイコロの出る目の確率は全ての目で同じじゃないらしいです。
目の部分が削ってあるので、その重さの差で出やすい目と出にくい目があるらしいです。
で、どの目もかなり厳密に同じ確率になるようにできているサイコロってのもあるらしいです。
これ、雑学ね。
※5 この積算被爆量もtotal-radiation_v1.00.odsを使ってうんだらかんだらして出してます。
内部被爆に関しては個人差が大きいので考慮していません。
っつっても、大して内部被爆もしてないと思いますけども。
コメント欄にて我楽多頓珍館の管理人、とものり様がもう一歩踏み込んだ補足をして下さいました。
ぜひ、一読して下さい。
●本記事の検算用ファイル
・total-radiation_v1.00.odsNew!
現在の放射線量から3月15日時点の放射線量を割り出し、半減期及び屋外滞在時間等を考慮して測定日や数年後の3月15日までの被爆量を計算する表です。
ヨウ素の欄に関してはヨウ素以外の放射性核種(キセノン等)も含めて実測値の割合に近似してあるため、半減期が6日となっています。
セシウムに関しては137と134の割合を1:1と仮定し、降雨等による半減期の短縮は考慮していません。
使うにはOpen Officeが必要です。
オレンジの欄に数値を入力すると黄色の欄に累積吸収線量が表示されます。
使ってみたいけど使い方がわからないという方はコメント欄にて質問してください。

↑サンプル画像
・radiation-death_rate_v1.01.ods
我楽多頓珍館の管理人、とものり様が検算して下さいました。
氏は解析をお仕事にされている方ですので、本来ならお金を払わなきゃいかんところですが、ご好意に甘えさせていただきました!(笑
~~~~~以下メールより引用~~~~~
貴ブログの「放射線が子供たちに与える影響」で、計算式の確認を希望されて
いたのでチェックしてみました。
で、「計算式に問題はありません」とコメントしようとしたところ、どうやら
アメーバ会員でなければ投稿できないようなので、メールでお知らせすることに
しました。
これらのデータを厳密に解析しようとすると、本来は「多変量生命表解析」と
いうめったやたらと複雑な統計解析手法を適用する必要があります。
しかしこの手法は放射線医学分野でさえほとんど用いられていませんので、
「大雑把に危険性の大きさを認識する」ためには、まあるさんが用いられている
計算方法で良いと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とのことで、計算があっていて一安心。
この場を借りて(?)再度お礼申し上げます。m(_ _)m
●参考資料及びサイト
・
・半減期を取り入れた被ばく量の計算
・放射性崩壊と半減期
・福島県 環境放射能測定結果・検査結果関連情報
・UNSCEAR(国連化学委員会)2008 Report及び2006 Report
・IAEA
・ATMICA(放射線の確定的影響と確率的影響 (09-02-03-05)・放射線の急性影響 (09-02-03-01)など)
・緊急被ばく医療「地域フォーラム」テキスト(平成20年度版)
・放射線影響研究所 各種資料
あやまんJAPANとももいろクローバーは甲乙つけがたいですね。
まあるです。どうも。
皆さんの中で誤解があってはいけないと思い、予告をガン無視してこの記事を書くことにしました。
確定的影響と確率的影響についてです。
先日の記事で放射線の影響には「急性影響」と「晩発性影響」と「遺伝的影響」の3つが考えられると書きました。
このうち、急性影響(脱毛/血液細胞数の減少/皮下出血/吐き気および嘔吐)ははっきりと「ありえません」と書きました。
しかし、晩発性影響に関しては面倒くさい計算をして死亡率に換算して結果を示しました。
なぜ、こんな風に表現方法が違ったのか、放射線がどんな風に人体に影響してくるのかを理解してもらえればと思います。
まず、脱毛・血液細胞数の減少・皮下出血・吐き気・嘔吐などの症状が現れる急性影響は確定的影響というものです。
・確定的影響とは
確定的影響は落としたリンゴみたいなものと表現できます。
例えば地上50m(メートル)のビルの屋上からリンゴを落としたらどうなるでしょう。
当然、リンゴは潰れます。
1000個落としたら1000個とも潰れます。
では、地上2.5m(部屋の天井くらいの高さ)ではどうでしょうか。
落としたリンゴのうち半分は潰れてしまうかもしれません。
残りの半分も無事では済まず、凹んだり傷ついたりするでしょう。
地上1m(腰くらいの高さ)では潰れるリンゴは無くなり、多くのリンゴは無傷で、一部は凹むでしょう。
しかし、2.5mから落としたときよりは凹みが少なくて済みます。
それでは地上100mm(=10cm)ではどうでしょうか。
この場合、リンゴは凹みもせず無傷なままです。
1000個落としたら1000個とも無傷です。
このように確定的影響とは原因(落とす高さ)に対する結果(リンゴの状態)がある程度確定的である現象のことを指します。
50mから落としたリンゴが無傷であるはずはなく、逆に、100mmから落としたリンゴが砕け散ることもありません。
50mから100mmの間は高さに応じて段階的に影響が少なくなっていき、100mm以下では「影響がない」となります。
放射線による急性影響はこのリンゴの例と同じような形で人間に影響を与えます。
リンゴの例の「落とす高さ」を放射線量、「リンゴの状態」を人体への影響として置き換えられます。
短時間で50Sv(=50,000mSv)の放射線を浴びた場合、人は死亡します。
1000人浴びたら1000人がもれなく死亡します。
50mの高さから落としたリンゴが助からないのと同じです。
では、2.5Svではどうでしょうか。
研究結果ではこの2.5Svが生きるか死ぬかの五分五分のラインだとされています。(※1)
半分の人は60日以内に死亡し、半分の人は60日のうちに回復に向かいます。
しかし、後遺症等は残る可能性があります。
1Svでは吐き気を感じたり嘔吐したりといった症状が一部の人に見られます。
また、一時的に白血球数が減りますが、死亡に至る事はまずなく後遺症もなく回復するでしょう。
0.1Sv(100mSv)では100mmの高さから落としたリンゴと同様に無傷です。(※2)
後遺症どころか吐き気を催すことすらありません。
では、今現状はこのうちのどこに位置するのか。
現状では比較的放射線の多い地域でも0.1Sv(100mSv)を浴びるのに1年くらいかかります。
これは、100mm(=10cm)の高さにあるリンゴを1年かかって床にゆっっっくり置くようなもので、この落下(?)によってリンゴが傷つくことはないですよね?
また、現在20μSv/hの地域の3月15日時点の放射線量を逆算(※3)すると200μSv/h弱です。
10時間ずっと屋外にいても2mSv、100時間いても20mSv程度です。
つまり、20mm(=2cm)の高さからリンゴを落としたようなものです。
100mmから落としても傷つかないリンゴは20mmで傷つくはずがないのです。
放射線で言うと、人は100mSvを浴びても吐き気すら感じないので20mSvではなんら影響はありません。
死んだり体調を崩すには程遠い値だとご理解いただけるでしょうか?
今、20μSv/hの地域でこの程度です。
皆さんの地域は今どのくらいですか?1μSv/h?0.1μSv/h?
それだと8月15日当時、100時間でも1mSvと0.1mSv程度です。
1mmと0.1mmの高さから落としたリンゴは、、、、もういいですね。
もしも、3月15日に「私は吐き気がした!!頭痛もした!」と言う方がいらっしゃったら、それは読んで字のごとく「気のせい」です。
ご存知のように、人間は気の持ちようで大きく体調が変化します。
吐き気と頭痛が前日の飲み会でハメを外したせいでなければ、それは「放射能怖い!」「地震怖い!」という不安から来る「気のせい」による体調不良でしょう。
この「気のせい」は馬鹿にできるものでもなく、結構怖いことなんです。ホント。
さて、このように、放射線量の少ない現状では全く怯える必要のない「急性影響」ですが、裏を返せば10Svを浴びるようなことがあれば間違いなく死ねる恐ろしいものでもあります。
ですので、再三書いておりますが、原発が再臨界して格納容器が爆発し、超超大量(今までに放出された分の数百倍)の放射性物質がばら撒かれるようなことがあれば一目散に原発から離れましょう。
一時的でもいいので、風上に避難しましょう。
原発内で復旧作業に当たっている人は高濃度水の中にダイブしないように気をつけてください、、、としか言いようがありません。
まぁ、守られてるかは知らないけど一応年間250mSv?程度の規制があるらしいし、事故のときに高濃度放射線を浴びた人はいなかったらしいので急性影響で死ぬ人は出なそうですね。
相変わらず長い記事です。
読むの大変ですよね。書くのはもっと大変です。がんばれ自分。ふぁいとっ!
後半は確率的影響についてです。
研究の成果によって、晩成影響のうちの発ガンや白血病(血液のガン)の罹患に関しては確率として我々に影響を与えるということがわかっています。
・確率的影響とは
こいつはちょっとわかりづらいかもしれませんが、頭の体操だと思って読んでください。
確率といえばサイコロです。
Aグループの10万人の人たちはサイコロ1個を1回だけ振ります。
「1の目」が出たら「アタリ」だとします。
「アタリ」が出る確率は1/6=16.667%です。(※4)
10万人が同時にサイコロを振ったら大体16,667人くらいの人が「アタリ」を出します。
絶対に間違いなく確実に6人に1人が「アタリ」を出すわけではないので、実際には16,500人かもしれませんし、17,000人かもしれませんが、大体16,667人くらいです。
Bグループの10万人の人たちはサイコロ2個を1回だけ振ります。
二個とも「1のゾロ目」が出たら「アタリ」とします。
「アタリ」が出る確率は1/(6×6)=1/36=2.778%です。
10万人が同時にサイコロを振ったら大体2,778人くらいの人が「アタリ」を出します。
絶対に間違いなく確実に36人に1人が「アタリ」を出すわけではないので、実際には2,500人かもしれませんし、3,000人かもしれませんが、大体2,778人くらいです。
さて、アタリを出したければAグループに入ったほうがお得です。間違いなく。
10万人という規模で見ればお得感がよくわかります。
しかし、1人だけで見た場合、Aグループでもハズレる人もいますし、Bグループでアタる人もいるのです。
元々AグループにいようがBグループにいようが、結果としてアタリはアタリ、ハズレはハズレです。
これが、確率的影響の特徴の一つです。
これを放射線による発がんに置き換えてみましょう。
1Sv(=1,000mSv)の放射線を浴びた10万人がいます。
以後40年間で「放射線の影響によって発がん」する確率はざっくり計算で8.6%です。(前記事参照)
10万人が被爆したら以後40年間で大体8,600人くらいの人が「放射線の影響によって発がん」します。
正確に8.6%の人が「放射線の影響によって発がん」するわけではないので、実際には10,000人かもしれませんし、5,000人かもしれませんが、大体8,600人くらいです。
100mSvの放射線を浴びた10万人がいます。
以後40年間で「放射線の影響によって発がん」する確率はざっくり計算で0.86%です。
10万人が被爆したら以後40年間で大体860人くらいの人が「放射線の影響によって発がん」します。
正確に0.86%の人が「放射線の影響によって発がん」するわけではないので、実際には1,500人かもしれませんし、400人かもしれませんが、大体860人くらいです。
さて、この場合もサイコロと同じことが言えます。
当然、1Svよりは100mSvのほうが発がんする確率が低いのでお得であることに違いはありません。
しかし、1Sv浴びたからといって「確実に」発がんするわけではなく、10万人中91,400人くらいは放射線によっては発がんせずに生きていくわけです。
逆に、100mSvでも10万人中850人くらいは運悪く放射線が原因で発がんしちゃいます。
上の確定的影響では放射線量に応じて症状が軽くなっていきました。
確率的影響である発がんに関してはがんに罹る確率が変動するわけで、結果として発がん「するか」「しないか」のどちらかです。
自分は10万人の内の1人ですので、1Sv浴びて発がんしなきゃ「ラッキー!」ってなもんで、100mSvで発がんしたら「残念賞」です。
では、現状はどの程度なのでしょうか。
現在20μSv/h・・・の地点にいた人は既に避難してると思いますので、ついこの間避難指示が出た3.6μSv/hで計算してみます。
3.6μSv/hの地点にいる人の今(7月6日)までの外部被ばく線量は概算で8.6mSv程度です。(※5)
確率は、ざっくり言って0.074%くらい。
大体、4個のサイコロを1回振って「1のゾロ目」が出るくらいの確率(=0.077%)です。
まぁ、、、4個のサイコロを買って試してみてください。
一回振っただけで「1のゾロ目」が出た人はもれなく褒めて差し上げます。
2とか3のゾロ目じゃだめよ。
世の中ではやれ年間1mSvだ20mSvだと「規制値」を設けようとしておりますが、当然これは放射線による発がんを懸念しての話です。
で、この規制値っつーのは「どのくらいの影響を無視しようか?」という話です。
「全く影響が無い=リスク0%」というのは理屈の上では無理な話なのです。
特に100mSv以下の低放射線量においては影響がどの程度あるのかという「予測」はあっても「証拠」が無いし、「この程度なら無視していいんじゃね?」って程度がみんな違うので、やれ年間1mSvだ20mSvだという話になってしまうのです。
100mSv以下では「統計的に有意な差が見られない」となっています。
なぜなら、対象が人間なので、タバコを吸ったり、酒を飲んだり、太陽光を浴びたりと、人によって生活がさまざまなので、放射線を浴びていない10万人よりも50mSvを浴びた10万人のほうが発がん率が低くなるケースもあるわけです。
当然、放射線を浴びない人たちは放射線を浴びてしまった人たちと生活環境が近い人たちを選ぶわけですが、サイコロの1の目が6回に1回確実に出ないのと同じで、こと発がんにおいては大きなバラツキがでます。
100mSv以下ではそれだけ放射線の影響が小さく、また、生活習慣の影響が圧倒的に大きいということになります。
規制値以下だからリスクはゼロだ!では無く、生きるうえでの他のリスクに比べて十分小さいリスクだから無視しちゃっていいんじゃね?って話です。
「わずかなリスクを無視する」というのは、今まで気にしたことの無い人には怖いことかもしれません。
しかし、例えば、ほんのわずかな発がん性がある焼肉の焦げを過剰に避けてユッケを食べると食中毒になる可能性があるわけです。
であれば、わずかな発がん性は無視して「焼肉の焦げはあんまり食べないように気をつけよう」くらいの判断で良いのではないでしょうか?
当然、カリカリに焼いた焼肉が好きなら食べればいいし、ユッケが好きなら食べればいい。
そんな風に今までも小さなリスクを無視して来ているんですよね。
国の基準値は国が勝手に決めたことでどうぞ勝手にしてくださいとしか私は思わないわけです。
もし、皆さんの中で「自分用基準値を決めたい!けど、どのくらいにしていいかパッと思い浮かばない」という方がいれば「タバコを1日に1~15本吸う人の発がん率は2Sv(=2,000mSv)とほぼ同じ」という部分を参考にしてください。(参考資料:UNSCEAR 2008 Report: "Sources and effects of ionizing radiation"Volume I Page141 Annex A Table 1)
さて、最後に少し脱線してしまいましたが、このように「急性影響」と「晩成影響の主である発がん」への影響の仕方はそれぞれ違います。
それぞれの特性を理解することで、放射線やリスクというものへの正しい理解を深めていただければ幸いです。
また、「なぜ急性影響は確定的影響で発がんは確率的影響なのか」ということなど、リンク先の情報をご自身で確認してより深い理解に役立ててください。
※1 医療設備が満足にない状況では大体2.5Svの被爆で半分の人が死にます。
十分に医療が整っている場合は大体5Svまで引き上げられます。
これは、リンゴの落ちる場所にクッションが敷いてあるようなものと考えられます。
参考資料:放射線による急性死亡
※2 実際は放射線によって細胞や染色体が傷つけられることが考えられますが、人間の持つ回復力の範疇であり、自覚もなく、損傷も残りません。
例えば、タオルで皮膚をこすると表皮が傷つくわけですが、これは傷とも怪我とも言いません。
※3 逆算には福島県内の3~5月の放射線量推移から放射線核種割合の近似モデルを作成し、指数関数による計算を行いました。
・total-radiation_v1.00.ods
※4 厳密に言うとサイコロの出る目の確率は全ての目で同じじゃないらしいです。
目の部分が削ってあるので、その重さの差で出やすい目と出にくい目があるらしいです。
で、どの目もかなり厳密に同じ確率になるようにできているサイコロってのもあるらしいです。
これ、雑学ね。
※5 この積算被爆量もtotal-radiation_v1.00.odsを使ってうんだらかんだらして出してます。
内部被爆に関しては個人差が大きいので考慮していません。
っつっても、大して内部被爆もしてないと思いますけども。
コメント欄にて我楽多頓珍館の管理人、とものり様がもう一歩踏み込んだ補足をして下さいました。
ぜひ、一読して下さい。
●本記事の検算用ファイル
・total-radiation_v1.00.odsNew!
現在の放射線量から3月15日時点の放射線量を割り出し、半減期及び屋外滞在時間等を考慮して測定日や数年後の3月15日までの被爆量を計算する表です。
ヨウ素の欄に関してはヨウ素以外の放射性核種(キセノン等)も含めて実測値の割合に近似してあるため、半減期が6日となっています。
セシウムに関しては137と134の割合を1:1と仮定し、降雨等による半減期の短縮は考慮していません。
使うにはOpen Officeが必要です。
オレンジの欄に数値を入力すると黄色の欄に累積吸収線量が表示されます。
使ってみたいけど使い方がわからないという方はコメント欄にて質問してください。

↑サンプル画像
・radiation-death_rate_v1.01.ods
我楽多頓珍館の管理人、とものり様が検算して下さいました。
氏は解析をお仕事にされている方ですので、本来ならお金を払わなきゃいかんところですが、ご好意に甘えさせていただきました!(笑
~~~~~以下メールより引用~~~~~
貴ブログの「放射線が子供たちに与える影響」で、計算式の確認を希望されて
いたのでチェックしてみました。
で、「計算式に問題はありません」とコメントしようとしたところ、どうやら
アメーバ会員でなければ投稿できないようなので、メールでお知らせすることに
しました。
これらのデータを厳密に解析しようとすると、本来は「多変量生命表解析」と
いうめったやたらと複雑な統計解析手法を適用する必要があります。
しかしこの手法は放射線医学分野でさえほとんど用いられていませんので、
「大雑把に危険性の大きさを認識する」ためには、まあるさんが用いられている
計算方法で良いと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とのことで、計算があっていて一安心。
この場を借りて(?)再度お礼申し上げます。m(_ _)m
●参考資料及びサイト
・

・半減期を取り入れた被ばく量の計算
・放射性崩壊と半減期
・福島県 環境放射能測定結果・検査結果関連情報
・UNSCEAR(国連化学委員会)2008 Report及び2006 Report
・IAEA
・ATMICA(放射線の確定的影響と確率的影響 (09-02-03-05)・放射線の急性影響 (09-02-03-01)など)
・緊急被ばく医療「地域フォーラム」テキスト(平成20年度版)
・放射線影響研究所 各種資料
