[由来]

「自分の政治活動に、後ろめたいことなど何もない!」と豪語する与党党首が内閣総理大臣に就任。有言実行とばかりに自分と閣僚全員の個人資産から昨日の晩ごはんまでを何ひとつ隠すことなく公開したことにはじまり、内閣府ホームページを通して分刻みで政府の取組みを詳細に報告するなど、少し行き過ぎなレベルで“政治の見える化”を推し進めたことから、やることなすことスケスケ「スケルトン内閣」と一応の信頼を込めて呼ばれるようになった。

 

[足跡]

その施政方針にふさわしい愛称を得た総理をはじめとする当該内閣の面々は、国賓を招く際などにしか開かれないことから「開かずの扉」と呼ばれる国会議事堂中央玄関の扉を、常時フルオープンにすることを義務づけるなど文字通りの“風通しのよい政治”を志すのであった。しかし、そういった自らの政治信条にとらわれすぎたのか、総理が国会にまさかのシースルーファッション(特殊素材のスーツで下着がスケスケ)で登壇して国民から「キモすぎる!」と猛批判を浴びたことを皮切りに、清潔で安全なイメージを与えるとのふれこみで登場したものの評判の悪い透明公衆トイレ(使用時にはガラスが曇って中が見えなくなる)の設置を都内各所で進めるなど悪手を連発。極めつけは国民に政治家に対して親しみをもってもらうため、すべての議員に中学生時代などに書いたポエムなどを全国民に向けて公開することを義務づけた「国会議員黒歴史公開法」を立案するに至り、身内の閣僚たちからも三行半を突きつけられる形となり、当然支持率も大きく落すと政権から退く事態となった。そしてこのことは国民がわが国とその政治の透明性について、今一度考える格好の機会となったのであった。