[由来]

イベント企画会社経営者から国会議員へと華麗なる転身を遂げた男が、様々な偶然の導きもあって何故か内閣総理大臣に就任。その政治資金を捻出するため、巷のパリピをも唸らせる、真に“エモい”パーティを開催することを決意する。こうして催された新時代のパーティは、国家権力に物をいわせて今が旬の大物アーティストや各界を代表する多彩なゲストを招聘した豪華なものとなり、目の肥えたパリピやクラバーたちを中心とする国民は、この政権を「パリピ内閣」と持てはやすのであった。

 

[足跡]

政治家もクラブDJも、絶妙なトークでオーディエンス(有権者)の心をつかむという点では何も変わらないという信念を持つ総理と閣僚たちは、みずからホストとなってDJブースに登場すると、「国政ウォイ!ウォイ!」「支持率バクアゲ〜!」といった挑発的なコールを繰り返すのだった。また、政権の目玉として立案された「享楽的会合による政治資金獲得のための法律案(通称パリピ法案)」成立に向けた審議も順調に進み、一時は総理をして「ワンチャン、支持率60パー越え、いくんじゃね?」と言わしめるほどの順風満帆ぶりであったが、やはり高齢有権者などの保守層から理解を得ることはかなわず、あえなくその短い絶頂期を終えてフェイドアウトすることとなった。しかし、国政の永遠のテーマである“政治と金”の問題に、今までにない角度から向き合った内閣として国民の記憶に長く止まることとなった。