[由来]

元トップレーシングドライバーという経歴の持ち主が引退後に政界入り。意外な転身に周りが驚くなか、年齢や政治家としての実績など、すべてにおいて異例のスピードで総理大臣へと就任した。その後、やはり記録的スピードで閣僚の人選を終えた総理は自ら「高速内閣」の発足を宣言。期待の新政権として理想的なスタートダッシュを決めるのだった。

 

[足跡]

「すべてにおいてスピード感のある政治」をスローガンとして掲げた総理は、閣議や国会答弁など長時間に及ぶことも珍しくない会議や質疑応答の場を自ら仕切り、これらをことごとく短時間で終わらせたため、総理本人はもちろん閣僚全員が本来の自分の政務に集中できるという好循環が生まれた。また、緊急時における公的給付や裁判の迅速化、高速道路の無料化など歴代の政権が解決できなかった諸問題にアクセル全開の気合で踏み込み、一定の成果をあげた。こうして国民の支持を得られつつあった「高速内閣」と総理であったが、これをこころよく思わない一部の野党勢力に国会における議案の投票時に牛歩戦術を仕掛けられ激怒。総理唯一の弱点である“せっかちな気質”を突かれる形となったこの出来事により国民にその人格や指導力を疑われる結果となり、皮肉なことに在職日数僅か50日という“戦後最短、最速”の速さでこの政権は幕を閉じることとなった。