[由来]

死者の霊魂を自らに憑依(ひょうい)させて縁者と対話させるといわれる東北地方のイタコを祖先にもつ総理が、歴代名宰相の霊を自在に召喚・憑依させる特殊能力を活かして様々な政治問題を解決。国民は、かつての名総理たちの勇姿をその身に重ねる現総理とその超常の力に敬意を表して「召喚内閣」と呼んで讃えたという。

 

[足跡]

外交や経済、農政など、各分野で功績をあげた歴代の首相を憑依させた総理は、「アーウー」「まー、そのー」「ヨッシャ、ヨッシャ!」など各総理の口ぐせを発しながら次々に問題をクリア。こうして勢いにのる「召喚内閣」だったが、ある時召喚に失敗して女性スキャンダルで失脚・辞任したダメ総理の霊を憑依させてしまい、官邸にいた女性議員や女性記者にセクハラ行為を働いたため一転して内閣解散の危機に陥ってしまう。さらに追い打ちをかけるように国内某地方に巨大地震が発生。対応を迫られる失意の総理は苦悩するが、夢枕に立った歴代名総理オールスターズの霊たちから「他の誰でもない、今度はお前自身が理想の首相になる番だ!」と激励を受ける。こうして自分を取り戻した総理は被災地に飛ぶと、召喚能力を使わずに自分だけの力で見事なリーダッシップを発揮して事態を収拾するのだった。その後、一連の混乱で召喚能力を失った総理は辞任を決意。副総理に後を託すと、ひとりの政治家として政治を学び直すため、勇躍海外へと飛び立つのであった。