[由来]

「人生の難局は、すべて筋トレで培った強靭な肉体と精神で切り抜けた」と公言してはばからない元ボディビル世界ランカーの総理が、“頭ではなく筋肉でする政治”を標榜して組閣。子どもから大人まで幅広い世代に対して筋トレによる心身両面の健康増進をうながす「筋力トレーニング等による迅速かつ確実な筋肉増強法案(通称 国民総マッスル化法案)」を立案したこともあり「マッスル内閣」と呼ばれるに至った。

 

[足跡]

国会での答弁の際、総理や大臣たちは野党議員の質問に答えるたび、“フロントダブルバイセッブス”や“サイドチェスト”といったボディビルでお馴染みのポーズを決める場面がよく見られたが、これに対して与党の議員だけでなく、時には野党の議員までもが「その法案、キレてるね、キレてるね!」「答弁書、仕上がってるよ、仕上がってるよ!」などのかけ声をかけたことから場内に独特の連帯感が発生。これにより、国会運営のスムーズ化に成功した。しかし、全体としての政権運営や野党との駆け引きには大味な部分が目立ち、支持率低下により短期政権として幕をおろすこととなった。尚、退任後に総理が著した自伝的回顧録『筋肉と国政』は、首相経験者の著作としては異例のベストセラーとなった。