[由来]

国民的ロックスターと呼ばれた男がまさかの政界入り。ロックのノリで政治活動を開始すると、高速ビートのハードロックがごとき早さで内閣総理大臣へと登り詰めた。就任後、志を同じくする同士を集めた総理は、自ら「ロックンロール内閣」の組閣を宣言。早速記者たちを集めての会見の席上、ゴキゲンの総理はライブ冒頭のメンバー紹介よろしく「クソほどイカしたカクリョーたちを紹介するゼェ〜」と絶叫しながら愛用のギターをかき鳴らすのであった。

 

[足跡]

こうして発足した「ロックンロール内閣」は、従来の政治的慣習にとらわれない自由奔放、豪快無比なスタイルで財政再建、国防、少子化対策、外交などの各分野において異次元の大活躍。さらに、総理が時おり放つ「国政をヒップに決める」「日本をシェイクする」などのロックっぽい発言が国民を魅了した。かくして順風満帆な長期政権への道を辿るかに見えた「ロックンロール内閣」だったが、総理と閣僚たちの政治的方向性の違いと、「安定とは逆に、常に変わり続けるアティテュードこそロックの本質」との総理の想いから支持率最高の時点で電撃退陣を表明。ギター片手に官邸を後にする総理の背中に新聞記者が「このご判断は正解だったのでしょうか」と最後の質問を投げると、「その答えは、風の中さ…」とあくまで最後もロックっぽく答え、永田町の夜の闇に消えてゆくのだった。