林業、矢打ち、ハルダー:ショックレスハンマー(柄交換)[山人 2019]-其の1- | 望創家、蜃気楼が如く

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夢の引きこもり生活を目指し日々修行中

ひとの数だけ例外あり

「やりたくないことをやっている暇はない」


『今回の主役のアルミ製クサビ(の残骸)』
 
(※左:頭径70mmの柄交換時の/中:新品/右:頭径60mm柄交換時の)
 

世界の
 
「何でも楽な方がいい。それを見つけるために先人が苦労を先にしてるんだから。折角の先人の苦労を皆がする必要はない。楽は皆で共有しないと」
 
と友人に言われ話を聞くも、全く興味のない分野で、しかも話もチンプンカンプンで、ただ愛想笑いでやり過ごしたことのある皆さん、こんにちは。望創家ノリです。
 
本日の大分県山間部は晴れ。朝はカチンコチンに凍ったお風呂場の窓も昼過ぎまで溶けず、凍結防止の夜のお湯出しも恒例になりつつある日々であります。
 
皆さんの地域は如何でしょうか。
 

『今回は頭径70mmショックレスハンマーの柄交換だよ』
 
(※左:新品70mm/中:柄交換済60mm/右:新品50mm/ヨキ)
 
 
さてはて、お正月ムードも何もなく田舎は快適で御座います。
 
テレビを持たない生活も…20年以上。必要な情報は全てネット&活字が好きなので、たまにチェンソーを掃除するときに下に敷く事業体でとっている新聞紙を読む程度。
 
望創家人生で未だかつて[紅白]もまともに観たこともなく、観たいと思ったこともなく無事に本年を迎えました。  
 
本年も駄文共々宜しくお願い申し上げます。
 
(※大晦日より書き足しながら来ました)
 

 
年末年始といえば…実家を含め両親を持たぬ私に里帰りという言葉はなく、そんな私が今思うことは、
 
「はて元旦の思い出は…」
 
 
皆さんは何処で迎えた元旦の朝が印象的でしたか?
 
 
私は…
 
①:
二十歳の初めての一人暮らしで、フィレンツェで迎えたあの朝。via torcicoda という、ちょっと中心地から離れた通りの一室に射し込むムラサキ色の朝陽が眩しかったこと
 

『Googleさん凄い…住所打ったら出て来る…(感涙)』
 
 
②:
朝7時過ぎに泊まっていた与那国島の知人の家の目の前に広がる浜辺で見た朝陽
 

『与那国島の例の診療所の浜も出て来た…(感涙)』
 
③:
サトウキビ刈りで訪れていた波照間島の人里離れた倉庫に住んでいたときに見た朝陽
 
(※流石に波照間島の元住んでいた風景は出て来なかった…Googleさん、走ってくれたら嬉しいです)
 
あとは…NYCだったり、千葉県(生まれ育った場所)だったり、他府県だったり…一人だったり、誰かとだったり…淡い想い出から濃い想い出まで沢山出て来ます…。
 
(※記憶とは残酷で、家族と過ごした元旦の記憶はほとんどありません。皆さん、家族を大切に!)
 
 
毎日が特別で、そんな日々の特別の中に生きる皆さんに、過去に紹介済みの[ハルダーのショックレスハンマー]の柄の交換方法を今回はお伝えしたいと思います!(照笑顔
 
(※いつもながら何の伏線も脈絡もなく本題に今年も突入☆)

 
ハルダーのショックレスハンマーをまだ知らないペーペーの皆さんは、下記の記事を先に読んでみてくださいね。
 

 
今や林業界で知らない者はいない、このドイツのハルダー社のショックレスハンマー。私は林業だけではなく、趣味(本業のつもり)の木工作業でもよく使います。 
 
とにかく破壊力が凄いです。それでいて身体に優しい。消耗した部位は交換も出来ますし、家計にも優しいとなったら、奥さん、おひとつ如何ですか?
 

『頭径/ヘッドの長さ/全長/重量表』
 
(※50mm:990g/60mm:1,705g/70mm:2,215g)
(※人柱で頭径70mmを今年は山で持ち歩きます。重量があるので足腰の鍛えに。両手打ちで折れずに今年を乗り切れるか…既に使用前にヒビを入れてしまったので、折れたら再度交換します。寧ろヒビの状態で折れなかったら奇跡)
 

アウトドア好きのひとには頭径20mm
→テントのペグ打ちに
→野生動物や人間からの自己防衛用に
 
鈑金屋さんには頭径50/60/70mm
→もう金槌なんて古いです。地球に優しく力強い威力で凹んだボディもなんのその
 
大工さんには頭径50/60/70/80mm
→もう木の打ち込みに力なんて要りません。私は小物しかつくらないので頭径50mmを主流で使っています
 
工業の世界なら尚更です。
→本来工業用のハンマーなので…本領発揮です
 
 
っとこのように、ザッと思いつきで言ってみても、いろいろな用途で使えるハルダーのショックレスハンマー。
 
今回はその使用用途によって[もっと使いやすくするため]に柄の交換をしていきたいと思います。
 
今手元にあるハルダーのショックレスハンマーで…頭径70mmがあり、大径木(抜根直径80cm↑)にと思い購入してあったものの柄を、お正月休みを利用して行いました。
 
(※頭径60mmのハルダーのショックレスハンマーの柄は既に交換済みで、日々バッコンバッコン両手打ちをしておりますが、1年以上使用し未だに柄は折れずに健在)
 

まず柄を交換するために必要なもの
 
(※ヒッコリー柄の場合の話です)
 
 
・新たな柄
→今回はいつものヨキ(斧)の樫の柄450mm
→or ハルダーの正規の柄

ピン抜き(直径3mm)
→本体と既存の柄にあるスプリングピン(ロールピン)を外すため
 
・金槌
→ピン抜きを打つため
→新たな柄を本体に叩き入れるため
 
・ノコギリ
→既存の柄を本体から切り離すため
 
木工兼鉄工用ドリル(直径8〜10mm/5〜6mm/3〜4mm)
→既存の柄を切り離したあとに残る木片を取り除くため
→新たな柄を挿入後、スプリングピンを叩き入れるための新たな穴あけのため
→鉄工用ドリルでも勿論okです
 
・電動ドライバー
→ドリルのため
 
・樹脂系ボンド(※水溶性ではないボンド)
→新たな柄を本体に挿入後の隙間埋めのため
 
・ビニールテープ
新たな柄を本体に挿入後の隙間埋めのため
 
・当て木
→新たな柄を本体に叩き入れるときのため
 
・ディスクグラインダー(or小刀などの切削道具)
→新たな柄の本体への挿入部の加工のため
 
・木工用ディスクヤスリ(80〜240番)
→使い古しぐらいが丁度いいです
 
・マイナスドライバー(orノミ)
→本体に残る木片を掻き出すため
 
・掃除機
→木片を吸うため
 
このぐらい用意されたら、お釣りが来るかもしれません。
 
あとは画像付きでご説明いたしましょう!
 
(※活字嫌いなひとも喜ぶ展開ですね!)

 

『既存の柄の長さは頭径50/60mmたちと一緒』
 
(※このままでしたら使い勝手が悪いので、柄を長くします!)
 
 
 
(※あると便利なものでありますが…使用頻度は低いです)

 
『3mmを使います』
 
(※4mmだとギリギリです)
 
 
ピン抜きを金槌で叩けば簡単にスプリングピン(ロールピン)は抜けます』
 
(※うまく抜いてください。一応再利用出来ます)
(※画像だと柄がありませんが…先に撮っておくのを忘れたので許してください…)
 

『そして…惜し気もなく、切る!』
 
(※案外楽に切れます)
 
 
『これが厄介』
 
(※この木片を取り除きます。一番面倒な作業です)
 

『ドリルでひたすら彫り(掘り)ます』
 
(※大体の深さを気にしながら彫ってください)
(※はじめのドリル径は8〜10mmでガンガンいってください。12mmぐらいでもいいかも)
 

『とにかく彫ります』
 
(※木屑に注視してください)
 

『見えますか?』
 
(※木屑にアルミ色が見えますか?)
 

『木屑にアルミ色が混じったら、ここからが勝負です』
 
(※金槌とマイナスドライバーを用意してください)
 

『うっすらと奥底にアルミ板が見えますか?』
 
(※アルミ板はクサビです)
(※周囲の木片をガシガシとマイナスドライバーやノミなどで割っていきましょう)
 

『割ったらドリルでホジホジ→木屑を出す』
 
(※地味にこの作業を繰り返し…ドリルの径を小さくしても結構ですし、クサビをドリルで削ってしまうのもありです。とにかくクサビが厄介です)
 

『ここまでアルミのクサビが見えたらゴールは目の前』
 
(※マイナスドライバーやドリルでクサビ周りの木片を掻き出せたら、スポッと残りが取れます)
 

『元凶のアルミのクサビ』
 
(※コレがあるのでドリルは鉄工も兼ねたドリルに)
 

『本体の鋳物?は意外に丈夫なのでドリル跡は少しだけ』
 
(※次も、面倒ではある作業です)
 

『参考画像』
 
(※こんな感じで(実際はクサビ全体が柄の中に)クサビが柄に本体奥底で待っているわけです)
 

『こんな大きなアルミ製のクサビが…』
 
(※コレを取り除けたら、柄の交換は半分が終わったようなもんです。画像は新しいクサビです)
 

『新たな柄を加工しましょう!』

(※お好みの柄を用意されてください。これは土佐ヨキの柄です。700円ぐらいで購入)
 

『ディスクグラインダーで適当に』
 
(※幅は40mm前後で。角を丸めに加工するのがポイントです。彫刻好きなので一番好きな作業)
(※加工部を軽く“木殺し(金槌で叩き固める)”してもok!)
 
(※追記2019年2月27日:柄の再交換時に楽に作業が進むように、新しい柄交換時には[クサビは使用していません])
 

『ショックレスハンマーの頭径50mmで強引に叩き入れたので…若干持ち手の方が割れてしまいました(涙)』
 
(※今回は根元の削りが甘かったので、これ以上入らず。後でこの隙間を埋めます)
 

『ドリル径3〜4mmで穴あけ』
 
(※穴が小さいとスプリングピン(ロールピン)は入りません。ピッタリの大きさにあけてくださいね)
 

スプリングピン(ロールピン)を叩き入れて…』
 
(※本当は再利用しない方がいいです。新しいスプリングピン(ロールピン)に変えることをオススメいたします)
 

『入りましたぁ〜』
 
(※あと少しで完成です)
 

『右がほぼ本来の柄の長さ(頭径50mm)』
 
(※頭径60/70mmは両手打ちも出来る長さが使い勝手がいいです。片手打ちがメインの方には重いです)
 

『樹脂系のボンドで隙間を埋めます』
 
(※木工用ボンドは水に弱いのでオススメしません。屋内で使うならokです)
 

『隙間を埋めたあとは、ビニールテープで覆います』
 
(※水の侵入が材を腐らせる恐れがあるので、本体内部に入らないようにします)
(※逆に乾燥が材を安易に折らせるとも言われますが…)
 

『山の中で目立つように赤と黄で仕上げ』
 
(※ボンドが乾く前にビニールテープを貼っています)
 
 
完成!
  
 
如何でしたでしょうか。
 
今回のお正月特番は。
 
 
柄の交換のポイントは[アルミ製のクサビ][加工した新たな柄の加工部を大きめに]ですかね。  
 
(※アルミ製のクサビを無視してガシガシドリルで掘った方が作業が早い気がしてきました。掘り過ぎて貫通したら笑えませんが)
 

頭径60mmの柄の交換時に激しく苦労しました。なぜなら、ショックレスハンマー購入店に電話で問い合わせたところ…
 
「柄の交換は、スプリングピンをピン抜きで抜くだけです」
 
と言われただけだったからです。
 
(※ヒッコリー製の柄以外の交換は、もしかしたら[抜くだけ]???)
 
 
多分ですね…自身で交換もしたことがないひとが電話対応されたのではないでしょうか。 
 
私の電話の問い合わせのあと、そこのお店のHPに[柄の交換方法]が後日、私が苦労して交換した方法と同じ方法で載っていました。 
 
 
今回の作業時間は2時間ぐらいですが、初めての方はもっとかかるかもしれません。新たな柄は失敗してもいいように予備を用意した方がいいかもしれません。
 
それか… 
 
「柄を交換せずに使いましょう!」
 
 
ではまた次回お会いしましょう。 
 
(※突っ込まれる前に退散!)
 
Ciao!
 

追記:
 

『振り子打法が一番楽でパワーが出ます』
 
(※頭径70mmなら…両手打ちしたら樫の柄が折れそう…)
 
 
『大体はチェンソーで切りながら矢打ちをするので、持ち手はこの位置です』
 
(※頭径60mmが絶対的にオススメです)
 
(※以下2019年1月12日追加)
 

『左:直径60mmで全長450mm/右:直径70mmで全長500mm』 
 
柄交換後積極的に70mmを使った感想… 
 
「パワーすご!っ」
 
重さの違いが500gぐらいですが、60mmの2倍のパワーはあるかと… 
 
50mmが1とすると60mmが370mmが6ぐらいでしょうか。
 
柄が折れるまで70mmで今年は伐倒生活をしたいと思います。ヒノキの抜根直径70cmぐらいのを伐ったとき、スポスポ矢が入りました。 
 
が、 
 
「片手打ちの振り子打法ではない場合は、肘を痛めそう」 
 
[両手打ち][片手振り子打法]で攻めるのがメインなら、かなりオススメな70mmでした。 
  
よっぽどの小径木(抜根直径30cmぐらい)伐倒がメインでなければ、もう50mmのショックレスハンマーには到底戻れません。 
 
まずは60mmを柄を交換して使用してみてください。