彼女との出会いは高校2年の時だった
 

僕の通っていた高校は、全校生徒が参加する
強行遠足?(マラソン大会)があり当然自分も参加していた
男女関係なく約33キロの道のりをこなす
ちなみに、僕の記録は確か全校で29位、2時間50分位だったと思う

 

ゴールで水分補給しながら休んでいると
 

1こ下の彼女がゴールしてきた
 

「お疲れ、頑張ったな」
 

顔は知っていたので、一声かけた
 

「先輩、早いねぇー、もう疲れて歩けないワぁ」
 

「脚にきたかぁ?、送ってやるか?」
 

「どうやって?」
 

「んん、あーオレ単車で来てっから」
「メットも2コあるし、乗っけててやるぞぉ」
 

そんな会話から出会いが始まった
彼女を家まで送り、別れ際
 

「次の日曜日暇ある?」
「仲間で支笏湖行くんだけど、行かないかぁ?」
「必ず女の子を乗せてくるって約束があって・・・」
 

 

「エー、行きたいィ!でも先輩彼女は?」
 

 

「あーそんなのいないいない」
「それにこの単車に女乗せた事ないし・・・」

「じゃあ、私が初めて?本当ぉ♥」

 

「そっ、ホントのホント今日が初めて♪♪」

 


てな具合で、日曜日彼女を乗せ支笏湖へツーリング
結局、女の子を連れてくるという約束を守ったのはオレだけ
 

そして、彼女に恋するのに時間が必要なかった
 

その日、タンデムだった僕らは仲間と別れ二人っきりになる
 

お互いの事を話しあい、互いに母子家庭だった事もあり
そんな境遇からかうち解けるのも早かった
 

お陰で瞬く間に彼女への思いはアクセル満開となった
彼女の家についたときすかさず告ってた
 

「いま好きな奴とかっている?」
 

「うん、いるヨ好きになったばっかだけど・・・」
 

「そっかぁ、オマエに付き合って欲しいって言おうと思ったんだけど」
「好きな奴いるんだったら駄目だね」
そう言うと
 

「私が好きなのは先輩だから・・・」
 

「マジ、じゃあ付き合ってくれる?」
 

彼女がうなずいた瞬間、夏の終わりに新しい恋がスタートした
 

僕らは、学校の中では付き合っている事をオープンにしなかった
 

なぜなら、男子の少ない学校で
大抵の男がそれなりにもてる時期があり、自分もそんな一人だった
だから付き合っているのがばれると彼女にやっかみが・・・
 

登下校中の地下鉄の中でも、同じ学校の奴がいると離れたり
目を合わせるだけの会話をし、小さく折りたたんだ手紙を使ってやりとりしていた
 

二人が一緒になるのは、学校が終わってから
よく、中島公園内の日本庭園、大通公園を二人で歩いた
 

そんな彼女と初めてキスをしたのはいつだったろう?
 

 

実は、よく覚えていないのだ・・・
 

 

彼女にとってはファーストキスだったと思う
 

僕たちは、本当によくキスをした
公園のベンチや、地下鉄の通路、少しでも人気がなければチュッ
 

一度、彼女が卒業した小学校のグランドに夜単車で行った時は
彼女の思い出を聞きながら、グランドの真ん中でした
 

お気に入りは、やっぱり定番の海辺だった
 

札幌から小樽へ向かう途中に張碓(ハリウス)と言う所がある
急な坂を下りて行き、函館本線を渡ると日本海に面した
海岸に出ることが出来る、二人のお気に入りの場所だ
 

北海道の秋は駆け足でやってくる
 

寒い海岸に二人寄り添い、時に抱き合いキスをした
 

よく、汽車が通る時にわざとにキスをしたのを覚えている
 

「オッ、汽車来たなっ、見せつける?」 「うん」てな具合・・・
 

寒くても、タンデムシートに彼女を乗せてずいぶんと走った
 

好きで好きでたまらなかった
 

いつだったか彼女の家で二人っきりの時、茶の間でイチャイチャ
 

 

長~いキスを続けていた、もちろんディープなキス
 

 

ついつい、彼女の胸にも手が伸びた
 

だけど、恥ずかしくて揉んだりなんて出来ず手を載せただけそんな感じだった
 

 

だんだん荒くなる吐息、このまま行くとと言う時
 

 

ガラガラガラ「すみませぇーんNHKですがぁ」の声
 

 

バイトの時間も迫り、寸止めでその場を後にした
 

あの時NHKがこなければ、きっと彼女と結ばれていたと思う
 

本当に好きなこと・・・
 

あっという間に冬が訪れ、二人で単車に乗れなくなっても二人は
仲良しだった、クリスマスには彼女から手編みのマフラーをもらった
 

長いマフラーで二人同時に出来るくらいでものすごく嬉しかった
 

そんな付き合いも、しだいに周りに知れていったし
 

彼女のチョンバン(薄くした学バンをこう呼んでいた)には
僕のバイクの名、GSX250E刀と入っていたり
 

一緒に地下街や、町を歩いているのを同じ学校の女子達に見られていたし
 

こそこそ付き合うのが苦手だった僕は、少しずつ皆に知れ渡るように
 

仲の良かった友達に、そのことを話していた
 

 

まあ、そんなこともあり周りからの中傷他色々あって
 

んーその部分は思い出したくないから書かん
 

4月の始め、春休み中に別れがやってきた
 

それも、自分から・・・別れるつもり無かったんだ
 

一時距離置こうと思った、彼女の心が落ち着くまで
 

で、マフラーから彼女からの手紙全てを袋に詰めて
 

彼女へ返した、その一番上に彼女宛に手紙を書いて置いたのだけど
 

 

 

 

彼女それ読まんと、振られたと思いこんで一式燃やしたらしい
 

 

 

おかげで、そのまま本当に別れちゃった・・・
 

 

ちゃんと手紙入っているからって言わなかったオレが悪いんだけど
彼女が一番悲しかったのは、全てを返されたことだったて
それ、あとで本人から聞いた
 

「あの時、すごく悲しかった、他の子にはあんな事しないでねって」
 

それ聞いた時、彼女が手紙を読んでいないのを悟ったわけだ
 

でも、いいわけせんかった、色々な彼女の思い
悩み、悲しみを受け止めきれずに一時距離を置こうとしたのだから
 

高校生活の中で、いや今までの人生の中で
 

思い出深い恋愛は数えるほどしかないけど
 

その一つが彼女との思い出、そして一番色々なキスをした子だと思う
 

何せ、唇がボォーとしてくるくらいまでしてたもん
 

初めてキスの時舌を入れたあの斬新で、神秘な快感は
彼女とのキスだったからかなぁ
 

彼女との出会いが、僕をキス好きさせたし上達もした

 

あー今はあんな気持ちのいいキス出来ないなぁ
 

アレはやっぱり、若くってストレートな心だから出来たキス

 

タンデム  

 

 

 

 

 

今は・・・・

 
 
 
 

  

  

  

 

  

「なあなあ、キスしよっか」 「何よ、いきなり」
 

チュッ 「ズエ゛ーたばこ臭っサ、やだもぉ」トホホホホです