もちろん、街中のインテリアの店でも、そういうことに力を入れている店もあるが、手が回らない所もある。
食器棚ばかり並んでいたり、カーテンのサンプルばかり吊ってあったりするのでなくて、一つひとつのコーナーを部屋の再現とし、敷物を敷いて家具を置き、窓もしつらえて絵も飾り、食器や小物や生活に必要な物を、魅力的にコーディネートして見せる売り場を作った草分けは、東は池袋のS社、西は梅田のD社であったかと思う。
それからどこの店でも次々模様替えして、そういう見せ方が主流となった。
そして、各コーナーに住み手の趣味や生活シーンを語るコメントを書き、それを計画したコーディネーターの名を冠して、この人に相談すればこんな部屋ができますよと、コーディネーターを商品としてしまう店も出てきた。
ひところ、これはわかりやすいと評判にもなった。
しかし、近ごろ寂れた感がある。
不況のせいばかりでもなさそうだ。
悲しいかな、いつもドラマチックに見せようとすると、どうしても実生活から少し飛び出した、他の追随を許さない(悪くすると奇をてらった)ものを追いかけることになるのだ。
これは住宅展示場と同罪かもしれない。
相談する方は、フツーの部屋がほしいんです、と言いたくなる。
外壁塗装だって奇抜な色でなく、住宅地に馴染む色が欲しいんです、と。
流行の先端を行く、ひと癖あるコーディネーターが看板となっている所もあるようだが、中には地道に、普通の住まいの相談に乗ってくれる人もいるはずである。
やはりここでも、専門家と呼ばれる人の人間性に期待するしかない。