心が安定しない。



嫉妬やプライドや悲しみや怒りが天秤の上でシーソーのように揺れている。


心が今にもがらがらと鈍い音を立てて崩れてしまいそうになる。



いつも頭の中に浮かぶのは「なんで?」という言葉。


聞きたいことがいっぱいある。納得できないこともいっぱいある。


でも心のどこかでは聞きたくないし、納得したくない。



なんであいつは受け入れて俺は受け入れないんだろう。



そんな自分勝手な自虐だけが俺の唯一の理解者。でもそれは諸刃の剣。


いつでも俺の涙を拭ってくれるかわりに俺の中から素直さを奪っていく。



“心の支え”がなくなっただけでこんなにも時間が長く感じて


こんなにも世の中がつまらないと思うのは


それだけ多くを期待して、それだけ求めていたから。



信じてきた未来や思い描いていた理想に縛られて


ガラスの散らばった道を裸足で少しずつ歩いていく。



床に散らばった小さなガラスは自分の心の破片。


切り傷だらけになった足の裏はズキズキするけど


それでも前を向いて歩く。



他の誰かに貰った靴なんていらない。


俺は裸足で歩くって決めたんだから。



絶望の中でしか見いだせない希望もある。



失くしたものを、欲しかったものを取り戻す。