首相は臨時記者会見に臨んだ。

 会見場に集まった記者たちは、衆議院を解散するか、内閣総辞職をするか、いずれかを首相が決断すると予想していた。

 

 内閣支持率は十パーセント台に低迷している。

 身内の与党議員からも、退陣すべきと公然と批判を浴びている。まさに、四面楚歌の状況で、もはや打つ手はないからだ。

 

「私は、この国難に対処するため、内閣改造を断行することを決意しました」

 首相がそう言うと、会見場からどよめきが起きた。

「この度、副首相に徳川家康さんを、財務大臣に渋沢栄一さんを、法務大臣に上杉鷹山さんを、総務大臣に徳川光圀さんを、外務大臣に陸奥宗光さんを、文部科学大臣に紫式部さんを、起用することとしました」