摘茶更莫別思量(ちゃをつんでさらにべつにしりょうすることなかれ)

 

「お茶を摘んでいるときに、別に考え事をしてはいけない。自分のやっていることに没入し、これを明確にするならば、どんなこと、どんな場であっても道場となる」

(出典:「くじけない心をつくる禅の言葉」(著者:田中治郎。発行:日本文芸社))

 

 

 「歩歩是道場(ほほこれどうじょう)」という禅語と、その意味はよく似ている。

 

 お茶を摘んでいるときはそのことに没頭する。

 あたりまえではないか、と指摘されるかもしれないが、案外、他のことを考えてしまいがちである。

 お茶を摘んでいるときを例えにしているが、他のことでも、そうである。

 

 例えば、ごはんを食べているときに、テレビを観る。歩いているときに、スマホをいじる。歩きスマホは危ないと指摘されるが、足もとをつまずき、怪我をすることもある。

 スマホをいじりたいときはいじればいい。でも、長時間スマホに触っていると、目が疲れるし、そもそも、

 スマホに遊ばれてはいけない・・・。

 

 何事も、今、やっていることに集中する。

 集中すれば、短時間で処理できるし、集中しているから、正確性も担保される。

 

 お茶を摘んでいるときはお茶を摘むことに集中する。

 そうすれば、摘み方を間違えず、おいしいお茶を飲むことができるだろう。