ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の死因について、ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長が「自然死との説は正しい」との見方を示した。
私は、これがよくわからないのだが、どうして、ウクライナの情報総局の局長がわざわざナワヌルイ氏の死について自然死と紹介したのか? このことに、何の意味があるだろうか?
自然死といえば、暗殺されたという見方を否定することとなり、つまり、ロシアを利することになるからだ。
そして、ナワヌルイ氏の死因について言及する以前に、やることがあるのではと思う。
現在、ウクライナはロシア軍との戦いにおいて、劣勢に立たされており、ウクライナが勝利するという見方は少ない。
ゼレンスキー大統領は3万1千人の兵士が亡くなったことを公表している。死者数を公表するのは異例なことであるが、その数の多さに驚きを禁じ得ない。
ロシア軍のウクライナ侵攻がなければ、こんなに多くの兵士が亡くなることはなかった。さらに、一般市民にも多くの犠牲者が出ている。
これは、ロシアに対する何らかのメッセージなのか。
ロシアというか、プーチン大統領に対する、つまり、停戦に向けた動きではないかとの憶測も指摘されているし・・・。
ナワヌルイ氏の死の真相については、明らかになっていない。
今後、明らかになるのか、わからないが、ナワヌルイ氏は極寒の地にある悪名高いシベリアのヤマロ・ネネツ自治管区第3刑務所の屋外で長時間過ごしていたときに、心臓のあたりにパンチを浴びせられたから亡くなったとの見方が強い。
遺体には痣の跡があったというが、母親に遺体の引渡しをずっと拒んでいたのは痣が消えてなくなるのを待っていたからとも言われている。
しかし、司法解剖すれば、痣があること、痣がどうしてできたのか、解明されると思うが・・・。
いずれにしても、ナワヌルイ氏は亡くなった。
ロシアではよくあること、と指摘する方もおられるが、そうした言い方には嫌悪感を覚える。
人間の死に対し、貴い命が失われた事実に、深い哀悼の意を捧げたいし、捧げるべきである。
ロシアの反体制派指導者が亡くなられた。その死の真相は現時点でわからないが、ナワヌルイ氏の身に恐ろしいことが起きたと想像される。
このエッセイは、ウクライナの国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長がどうしてナワヌルイ氏の死の真相に言及したのか、疑問に感じたことから綴ったのだが、ナワヌルイ氏の亡くなったことについては、別のエッセイで綴り、哀悼の気持ちを述べさせていただきたい。