世界卓球での女子日本代表の活躍は、日本列島を駆け巡り、いまだ興奮が冷めていない。

 

 伊藤美誠監督と評された、伊藤美誠選手の選手たちに対する的確なコーチングが大きな話題となったが、これを生んだのは、本当の監督、渡辺武弘監督である。

 

 事前に、このことは話し合われていたのか、わからないが、渡辺武弘監督は基本的に口を挟まず、伊藤美誠にコーチング、アドバイスを任せていた。

 本来であれば、監督がする仕事であるが、自分よりも敵のことを知っているし、世界で活躍した実績のある伊藤美誠選手に任せたのだろう。

 

 

 謙虚で控えめな姿勢は、日本人らしい。

 結果が出なければ、監督の責任を問われる。

 そう言ったことに関心はなく、選手たちにすべて任せた。やりやすい雰囲気を作ることを重視されたのかもしれない。

 

 記者会見で、早田ひな選手は「受け入れてくれている渡辺監督。監督がいたからこそ、私らが完成されたと思うので」と話されていた。

 

 同世代の、早田ひな選手、平野美宇選手、伊藤美誠選手、この3人がやりたいように、気持ちよくやれるようにされたのだと思う。

 

 結果はすべて自分が負う。好きなようにやればいいと。

 

 渡辺武弘監督は、決勝の中国戦のオーダーもかなり悩まれたという。今回は残念ながら、地要点の金メダル獲得はならなかったが、すでに、パリオリンピックを見据えておられる。

 

 スポーツ界、会社などの組織では、いろんな指導者がいる。

 私は、渡辺武弘監督のような方は、今の若い人にとって、一番いい指導者のように思う。