世界選手権の女子団体の決勝で、女子日本代表は、王者中国に対し、2勝3敗と惜しくも敗れ、53年ぶりの金メダル獲得はならなかった。

 

 第1試合は張本美和選手が世界ランキング1位の孫穎莎選手に0対3と完敗したが、第2試合はエースの早田ひな選手が東京オリンピック金メダルの陳夢選手に3対1と勝利しした。

 続く第3試合は平野未宇選手が世界ランキン2位の王芸迪選手に3対0とストレートで勝利し、日本は2勝1敗と世界一まであと1勝と迫った。

 第4試合はエースの早田ひな選手が孫穎莎選手に3対0とストレート負けし、悲願の金メダル獲得は第5試合で戦う15歳の張本美和選手に託された。

 

 張本美和選手は東京オリンピック金メダルの陳夢選手と戦い、第1セットを奪って、53年ぶりの世界一が現実味を帯びた。

 しかし、陳夢選手はここから本来の調子を取り戻し、続く3セットを奪い、3対1と勝利し、中国に金メダルをもたらした。

 もしも、早田ひな選手が第5試合に登場していたら・・・、金メダルを獲得したかもしれない。もちろん、タラれば、であるが。

 

 団体戦はどの試合に出場するかも大きなポイントである。

 中国との決勝は、惜しくも負けたかもしれない。

 しかし、それが、中国という大きな壁だろう。

 でも、その壁を打ち破ることができる、その感触を選手たちはつかんだ。

 パリオリンピックでは、再び中国と戦うことになるだろう。そのときは、張本美和選手はさらに強くなっているに違いない。

 金メダル獲得も夢ではない。そう思わせるくれる決勝の試合だった。

 

 

 今回の大会は、かつてのエースの伊藤美誠選手は主に控えに回り、出場する選手たちに声援を送る側となった。

 パリオリンピックのシングルス代表の枠を逃したことで、伊藤美誠選手はかなり落ち込み、各種発言が物議をかもしたが、今回の世界卓球では、「伊藤美誠監督」と評されるほど、選手たちに適確なアドバイスを送っていた。

 そのことに対し、SNS上で、伊藤美誠選手を非難するコメントも一部にはあったが、伊藤美誠選手はそれに対して、自らの真意を述べるなど、冷静に対応された。

 一生懸命やっている選手を非難するコメントはとても悲しい。選手も大きく傷つく。非難するコメントをして、何がおもしろいのだろうか・・・。

 

 今回の世界卓球では、打倒中国を掲げて戦ってきたが、本当に、中国を倒せる時機が到来した。

 パリオリンピックで、世界一の頂点を目指し、頑張ってほしい。

 

 世界卓球の女子日本代表、王者中国と互角に戦った活躍に、あっぱれ!