私が最も尊敬する歴史上の人物は、西郷隆盛である。
その人生の最後はあまりにも悲しいので、実は、西郷隆盛について著した書籍はたくさん買ったのだが、最後まで、まともに読んだことはない。
これは、著者に対し、大変失礼なことだが、尊敬する人の最後は読むに堪えない・・・。
「晋どん、もうここらでよか」
西郷隆盛が最後に言われた言葉である。
この後、切腹して果てるのだが、死の最後とは思えない、おおらかさも感じる言葉である。
西郷隆盛は数多くの名言を残されているが、私が好きなのは『敬天愛人(けいてんあいじん)』である。
「敬天愛人」という言葉は、西郷隆盛が好んでよく使い、揮毫した言葉である。
その名のとおり、天を敬い、人を愛すること、という意味である。
この「敬天愛人」は京セラの社是である。
詳しい解説は要らないと思う。天を敬い、人を愛する、そのことだけで、意味は通じるからだ。
かつて、携帯電話で私がメールをすると、末尾に『敬天愛人 ○○○○(※私の本名) ※犬の絵』が自動的に表示されるようにしていた。
ただし、この表示はごく親しい人だけにメールを送る際にはそのまま表示をしていたが、ふだんは削除していた。
しかし、あるとき、事務的なメールをした際にこの表示を削除することを忘れてしまった。そのとき、受信した人から、メールの末尾の『敬天愛人・・・』について質問されたことがある。私の好きな言葉の一つと答えたが、いささか恥ずかしかった・・・。
天を敬い、人を愛する。
その姿勢で臨めば、人生の道は開かれる。
そして、その人生は尊いものになる。
人間の器の大きな人は、たくさんの言葉を遺してくれた。
これまで多くの言葉に助けられた。
そのなかで、この「敬天愛人」は私にとって、最も大切な言葉のうちの一つである。
「敬天愛人」を胸に、これからの人生を歩みたい。
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